2018年4月8日日曜日

歴史と戦争


歴史は戦争によって作られる、とも言える。(特にアメリカは戦争によって作られた国だ。ブッシュも、トランプもうまくアメリカ人の好戦的愛国心に訴えてきた。)

日本では白村江の戦い(663年)、元寇防衛戦(12741281)、秀吉朝鮮出兵(15921598)、日清(1894)・日露戦争(1904~1905)、日中戦争(1937~1945)、太平洋戦争(1941~1945)があった。これは、世界の大国としては数が少ない。明治維新までは3度戦争しただけだ。島国であり、異民族とは隔離されていたのが日本の特徴だ。

この戦争はそれぞれ、天皇体制の確立・強化(白村江)、武家政権の確立・強化(元寇)、武家支配下における近代へ向けての民力の発展(朝鮮出兵)、国家の近代化・産業化(日清・日露)、アジアの覇権(日中)、太平洋の覇権(太平洋戦争)を象徴する戦争だった。

しかし、これらの戦いは世界の歴史と連動している。白村江の戦いはイスラムの勃興と同時期であり、元寇は十字軍の時代であり、朝鮮出兵はアメリカ発見などのヨーロッパ人の大航海時代であり、日清戦争から太平洋戦争は産業革命から白人の世界植民地化の時代だった。

特に、太平洋戦争は世界の第二次世界大戦の一部となり、アジア人対欧米人の戦いであると同時に、反ユダヤ・キリスト教的・反社会主義的・反民主主義の勢力に日本も組み込まれてしまった。戦争の結果、ユダヤ・キリスト教世界、社会主義勢力、民主主義が世界の主流となり、さらに、冷戦・ベトナム戦争・ソ連崩壊・中国の開放路線を通して今日のように資本主義・商業主義・科学技術主義の時代が訪れた。

日本では、世界の国々は資本主義・商業主義・科学技術主義でビジネス的に競争するだけであり、国々が戦争する必要などなくなったという考えが出てきた。しかし、現実には世界はそうなっていない。イスラム世界の危険な動向、中国の危険な戦略、ロシアの野心、絶えない世界の貧困と犯罪などとても世界は平和な商業主義社会になったとは言えない。

宗教的には、キリスト教の権威が低下し、欧米人がキリスト教の原則にこだわらなくなった分だけユダヤ教に対する偏見がなくなった。しかし、欧米人の一部となったユダヤ人とは異なり、イスラム教徒は非ヨーロッパ系であり、欧米化の後進地域であり、ユダヤ・キリスト教とは異なった価値観と生活観を持っている。非宗教性を強めるユダヤ・キリスト教徒とは際立った対照を示している。おまけに、中国・インドも欧米のユダヤ・キリスト教の伝統はない。まだ、大戦争に匹敵する事件が生じてもおかしくない。神が唯一の存在であるなら、日本も含めて人類の宗教も1つのはずであり、いずれ、全てが収束するとしても・・・