1945年の終戦以来、50年間は、日本は基本的に平穏だった。
第二大戦で敗戦し、米国キリスト教のマッカーサー元帥が導入した、米国キリスト教の精神を基盤とする新たな憲法体制の下で、国家の安全保障問題は日米安保体制によって日本人の意識から隠されることになり、日本人は経済発展に専念することができた。
戦後の米国/ソ連冷戦の一環につながる1960年の安保闘争後、1964年の東京オリンピックを経て日本経済の高度成長は加速し、1970年前後の学生運動・ベトナム反戦運動の嵐を超えて、1980年代には技術で世界をリードするまでに至り、GDPで世界第二の経済大国となり、日本は1980年代末のバブル経済の時代へと突き進んでいった。1989年の昭和天皇の死は、まさに、本格的な世紀末の幕開けを予感させるものとなった。
1990年代初めの米国とイラクの湾岸戦争(今日まで続く米国のイスラム・テロリストとの戦の源流となる)、ソ連の崩壊(中国のロシア型共産主義・経済体制の放棄の原因となる)なども日本に大きな影響を与えることはなかった。しかし、戦後50年たって生じた1995年の阪神大震災とオウム真理教テロは、20世紀末から21世紀の始めに至る世界史的な世紀末の、日本での幕開けとなった。
ちなみに、ダイアナ妃の事故死は1997年、JFK Jr.の事故死は1999年であり、世界文明の主流のイギリス/アメリカにおいても、世紀末に影をさすような出来事が生じた。
そして、21世紀の開始と共に、2001年に同時多発テロがアメリカで生じ、世界文明の主流のユダヤ・キリスト教世界に警告が与えられた。アメリカではさらに2008年にリーマンショックに続く金融危機が生じ、その反動として黒人初の大統領オバマが誕生した。日本でも、アメリカ型の強欲資本主義への反発から、2009年に民主党政権が生まれ、2012年まで続いた。
米軍が同時多発テロの首謀者オサマ・ビン・ラデンを殺害したのは2011年だったが、その2ヵ月前に日本では東日本大地震/大津波が生じ、18,000名が死亡・行方不明になった。そして、世界を震撼させた福島第一原発事故が随伴して生じた。1990年のバブル経済崩壊以後、20年を超えるデフレ経済と少子高齢化に苦しむ日本は戦後以来の危機に見舞われた。その中で、政権能力に疑問を持たれたリベラル派の民主党政権は否定され、政権はアベノミクスを掲げた自民党に戻った。そして、2020年にコロナ大感染に見舞われるまで、この体制は続いた(日本でのコロナの死者は、2021年9月時点で約17,000名、世界では450万人超)。
1918年の第一次大戦後のスペイン風邪以来の100年ぶりのパンデミックは、まさに本当の世紀末を意味した。オバマへの反動として登場したアメリカの白人優越主義者のトランプ大統領は、コロナの中で、現職で2020年の大統領選に落選した。日本では、圧倒的な人気・権力を誇った安倍が二度目の病気による首相辞任を強いられた。後任の菅も1年しかもたなかった。ドイツのメルケル首相も2021年に退陣する。中国初のコロナは欧米・日本の民主主義国に大きな影響をもたらしたと言える。
ちなみに、戦後の開始の1946年から、阪神大震災の1995年までは49年(7x7)、阪神大震災の1995年から、東日本大震災の2011年までは16年(4x4)、東日本大震災の2011年から、2020年のコロナまでは9年(3x3)となる。コロナが2021年で事実上、収束に向かえば(2020年から2021年まで、又は、2022年から2021年までは1年(1x1))。これで、世紀末の警告事象のシリーズは終わることになる。
「世紀末」の後は、聖書によれば「世の終わり」になる。キリスト教の発生から現在までの2千年で人類に対する神様の判断は下される、と考えられる。ただし、世の終わりにはキリストの再臨が期待される。2千年前に十字架の刑で死亡したが復活し、天国に返ったキリストが再び人間世界に現れるというのが、キリスト教の信仰です。
科学者であると同時に聖書研究家でもあった18世紀のニュートンは、世の終わりは2060年以降に生じると予言している。現代科学の基礎を築いたニュートンに敬意を表せば、21世紀が人類にとって大変な時代になると考えられる。最悪、人類の歴史には22世紀はないかも知れない。
世の終わりには、神は人々に霊を与えると言われている。20世紀末から続く、世界的なスピリチュアリズム(臨死体験の評価も含む)の活性化は、やはり、世の終わりの前兆かも知れない。それでも、人間が皆、悔い改めれば神は人類に終末をもたらさないかも知れない。
いずれにしても、コロナを真剣に捉えれば、人間社会の腐敗・堕落に怒った神が、死の天使にコロナを使わせたという議論もあって然るべきです。