現在の日本にとって、また、その歴史において最も重要なのはアメリカとの関係だ。
例えば、大日本帝国がアメリカと戦争していなければ、今日の北朝鮮問題など存在せず、また、アメリカ人が起草した憲法だということで生じているさまざまな政治問題も日本には存在しなかったことになる。
しかし、現実は大日本帝国がアメリカと戦争して敗戦し、朝鮮半島などの支配を放棄し、アメリカ人の起草した平和憲法を受け入れざるを得なかった。この日本の運命を正しく理解するには、「人類と神との関係」について正しい認識を持つ必要がある。
現在、世界の70憶人のうち47憶人が信じるユダヤ・キリスト・イスラムの神が真実の宇宙の創造主であり、人類の創造主であるなら、この神は当然、ヨーロッパ・アメリカ・中東だけでなく東アジアにも、自分を信じ、崇拝する宗教が広まるのを望まれているわけであり、人類の歴史に必要な干渉を行ってきたと考えられる。大日本帝国の興亡はその1つの事例だと解釈すべきである。
バチカンの影響力を遮断するための鎖国から、明治維新の開国、西洋化を経て日本も世界の強国になったが、西洋文明の基盤のユダヤ・キリスト教の精神を十分に取り入れなかった大日本帝国はある意味でキリスト教世界に対して大変な脅威となった。しかし、ヨーロッパの植民地主義国は、もはや軍事大国となったこの帝国を軍事力で滅ぶすことはできなくなり、アメリカのみが大日本帝国を戦争で打ち負かす国力を備えていた。従って、日本とアメリカの戦争はある意味で必然的に生じた。アジア人と白人との闘いというよりは、非キリスト教国とキリスト教国の戦いであった。当然、戦後の日本はアメリカのキリスト教・ユダヤ教の影響を受けたものとなり、日本の社会も徐々にその精神を受け入れるようになった(宗教の一派としてのキリスト教の拡大とは別に)。
アメリカは戦後も世界に民主主義を広める使命を持った国として位置付けられようになったが、アメリカの民主主義の基本はバチカンの支配を受けないプロテスタント系のキリスト教・ユダヤ教だ。アメリカの民主主義を広めるとは、アメリカの宗教精神を広めることを意味する。(ただし、アメリカのキリスト教も完全ではないし、問題が多すぎる。)
そこで、現在の世界でこのアメリカの宗教精神を受け入れない勢力として、イスラム世界と北朝鮮(中国)がアメリカと摩擦を引き起こすことになる。これが歴史的必然性だ。こういう認識を持つのは、国民の義務と言ってもいい。