2022年6月16日木曜日

心霊主義/スピリチュアリズムの浸透と、心霊主義/スピリチュアリズムを取り戻すキリスト教・仏教


 

最近、ニューヨーク州の知事選挙戦で当選した女性の新知事は、選挙戦のテレビでのインタビューで「幽霊を信じるか」と問われて、「最近死亡して霊界に居る母と交信している」と答えている。

「幽霊を信じるか」という2019年の世論調査によると、米国人の46%が「幽霊を信じる」と答えている。死後の世界を信じるアメリカ人は、2020年には70%近くいるので、「幽霊を信じる」と公言しても選挙の妨げにはならない。ただし、何らかの宗教団体に属している米国人の比率は2020年に50%を割っている。つまり、旧来の宗教には依存しない心霊主義/スピリチュアリズムがアメリカで台頭している。

日本でも、死後の世界を信じる人は人口の3分の1はいる。ただし、日本でも仏教や神道を信じる人でも、その宗教行為の実践の頻度は減っている。つまり、旧来の宗教には依存しない心霊主義/スピリチュアリズムが日本でも浸透している。

しかし、本来のキリスト教は心霊主義だった。2000年前に、イエス・キリストがさまざまな霊能力や治癒力を示し、人々がイエス・キリストが天界から来た聖者だと信じ、さらに、敵対者によって十字架の刑で殺害されても、肉体を持った霊的な存在として人間界に復活したことで、キリスト教の基礎が作られたのです。

仏教も、単にこの世の道徳を教える宗教ではなく、霊的存在としての人間が天界(涅槃)に入る方法を説く教えだった。神道も民族の霊的な側面や先祖の霊を重んじる宗教です。要するに、全ての宗教は本来、心霊主義/スピリチュアリズムが出発点なのです。

ただし、伝統的な宗教を否定して心霊主義/スピリチュアリズムに走れば、オカルト化して危険です。さらに、霊界には神様や天使ばかりでなく悪魔や悪霊もいる。従って、心霊主義/スピリチュアリズムでもイエス・キリストや仏陀の霊の力を認めて、悪魔や悪霊に対抗しようとする。ただし、悪魔や悪霊は「にせキリスト」や「にぜ仏陀」となって人々を信用させ、最後は間違った観念を吹き込んで地獄に引き込もうとする。あくまで、信用できるのは心霊主義/スピリチュアリズムに戻ったキリスト教や仏教などの伝統的な宗教だということになる。

つまり、エンターメインや商業主義のための心霊主義/スピリチュアリズムは信用できない。悪魔は、イエス・キリストや仏陀の教えを引用しながら人々をだまし、最後には地獄に引き込もうとする。

治癒力を持った霊能者もいるが、その治癒力は天界の神様、イエス・キリスト、聖母マリアなどから与えられるものなのです。正式なキリスト教徒である必要はないが、天界の神様、イエス・キリスト、聖母マリアを敬い、信仰する霊能者が信用できるのです。

この意味で、ヴァチカンやプロテスタントなどのキリスト教会も、従来の儀式や難解な神学にこだわらず、心霊主義/スピリチュアリズムの面を強めるべきなのです。誰もが死後の世界や霊界の存在を認め、イエス・キリストの教えの霊的側面を理解することが求められます。そうすれば、誰も「死」を恐れなくなる。「癌」だと宣告されても慌てなくすむ。先祖の霊や死んだ家族とも霊的につながれると信じることができる。ということは、宗教の違いに関係なく、人は死後に霊界に入ることを知れば、狭い心の宗教活動などはなくなる。霊界は万物の創造主の神様によって支配されており、宗教に関係なく人の霊は死後、その神様の下で霊界に生きる。これが、真の宗教なのです。

ただし、人間の霊は、霊界で「天界」に受け容れられる者と、「地獄」に向かう者に分けられる。これが、決定的に重要な点です。宗教に関係なく、人の霊は、死後、霊界で「天界」に受け容れられる者と、「地獄」に向かう者に分けられる。

この意味で、イエス・キリストは「貧乏人は善人とみなされ天界に入り、金持ちは悪人とみなされ地獄に落ちる」と述べたことに、深い霊的な意味があるのです。

心霊主義/スピリチュアリズムから発生したキリスト教・仏教=>変質した非霊的な旧来のキリスト教・仏教=>心霊主義/スピリチュアリズムを取り戻すキリスト教・仏教

このような流れが自然なのです。