この世の富裕層も、死を恐れるが、霊界が存在すると知って安心する。この世で金持ち生活を送り、あの世でも豊かな生活ができると考える。従って、死を前にして生き方を変えることはなく、何も反省しない。臨死体験でも、美しい霊界という情報が主に強調され、死後を恐れない富裕層もいる。
ただし、問題はそれほど甘くはない。イエス・キリストは、「金持ちは死後、地獄に落ちる」と宣言されている。ここに、宗教の意味がある。臨死体験で報告されているのは、地獄の手前の霊界の状態だと考えられる。それに、臨死体験で地獄を見た者は、それを正直に述べないことが多い。
また、霊界や死後の世界を信じない金持ちは、ますますこの世での生活にこだわり、死ぬ前にできるだけ欲望を満たそうとする。地獄も天国も信じないのだから、天罰も信じない。従って、普通人の想像を超えて狡猾に悪事に手を染める。
しかし、生きながら霊界を見たスウェーデンボルグなどの霊能者は、「地獄には、生きている間に地獄の存在を信じなかった人間の霊」が多くいると述べている。また、霊界、死後の世界でも、この世と同じように善悪が問題となる。
臨死体験を経験したカトリックのシスターなどは、「霊界は無限の愛に満ちている」と述べているが、聖書には「悪魔の存在」が当然のこととして記されている。霊界も善と悪の戦いの場であり、神様や天使の介入がなければ、この世でも霊界でも人間は悪魔やその手下に破壊される。これでは、この世も霊界も闇だということになる。実際、イエス・キリストは悪魔の手にかかって、即ち、権力者のローマ皇帝の部下やユダヤ教の司祭や律法学者などによって十字架上で殺害された、というのが聖書の内容です。ただし、イエス・キリストは「この世で苦しむ貧乏人は、死後、天国で受け入れられ、永遠に幸福に生きる」という福音を伝えている。これが、キリスト教の基盤になった。キリスト教とは、「この世より、死後の世界を信じる」宗教なのです。
人間は、生きるため、欲望を満たすためにはカネを得なければならない。悪魔の支配する世の中でカネを得るには、悪を受け入れなければならない。そのために、「幸福を得るには、カネが必要であり、カネを得るには、この程度の悪は受け入れるべきだ」と誰もが考えて何らかの悪を受け入れる。だから、イエス・キリストは、「金持ちは死後、地獄に落ちる」と宣言されているのです。
善や悪というのは抽象的、精神的な問題ではなく、悪魔に魂を売らずに貧乏生活に耐えるか、悪魔に魂を売ってでも金持ちになるか、という現実的な問題なのです。だから、イエス・キリストは、「貧乏人は天国に受け容れられるが、金持ちは地獄に落ちる」と宣言されているのです。カネ、富の先に悪魔の支配を見て、貧乏生活の先に神を見るのが正しい生き方なのです。しかし、悪魔が支配する社会に生きる人間には、これは革命的な教えであり、価値観を変えなければ理解することも、受け入れることもできない教えです。その教えを広めたイエス・キリスト自身が、悪魔の手先によって十字架上で殺害された事実が、その厳しさを示しているのです。
しかし、死後、霊界に入った貧乏人の魂は、信仰心があり、正義と平和を愛し、愛と真理を求める心があれば、直ちに天国に受け容れられる。輪廻転生をして生まれ変わり、再び苦しい人間界での人生を送る必要もない。これが、イエス・キリストの教え、即ち、キリスト教の本来の教えなのです。そして、天国では永遠の生命を与えられ、カネの必要もなく、幸福に生きることができる。この教えを信じれば、誰でもこの世では貧乏生活をしようとする。「この世で貧乏、あの世で天国」、が人類の共通の標語になる。
しかし、その邪魔をするのが悪魔なのです。誰もカネを求めなくなれば、悪魔に魂を売る者もいなくなる。これでは悪魔の存在価値がなくなる。死後の人間の魂が天国に入るのを妨害するのが悪魔の仕事なのです。だから、悪魔はあの手、この手で人間の欲望を刺激し、カネと富を求めさせる。カネのために小さな悪を許容した人間は、やがて、富を獲得・維持するためにどんな悪でも受け入れるようになる。最後には、「悪魔を神として崇(あが)め」、悪魔の教えに従わない者は「神の敵」だとして「狂った信念」を持って攻撃する。これが、この世の真理の一つです。「悟り」とは、このような悪魔の狡猾な働きを理解することでもある。
コロナやウクライナ戦争が起きなければ、日本はオリンピック景気に沸き、世界も相変わらず商業主義に支配され、人間はカネと富を求めて、現代物質文明の恩恵を享受し、繁栄の頂点に立っていたはずです。その陰で悪魔に魂を売る人間が続出し、社会には悪魔の影響で腐敗と堕落が蔓延し、死後は地獄に落ちる人間ばかりになっていた。そういう意味で、「神は天使を使って、コロナ大感染やウクライナ戦争を防止させることはしなかった」ということは理解できるのです・・・
2019年の秋にローマ法王フランシスコが日本を訪問し、その後に中国からコロナ大感染が世界に広まった。このローマ法王の訪問は、1981年のヨハネ・パウロ2世以来38年ぶりだった。日本は1981年以降、1991年にバブル経済が崩壊するまで歴史的な繁栄を享受していた。2019年のローマ法王の来日は、2019年以降、2029年頃まで、人類に反省を強いる10年間の予兆になるかも知れない(最悪の場合は、第三次世界大戦?)・・・