2022年12月26日月曜日

心霊主義や超能力とキリスト教

 

心霊問題や超常現象に興味を持つ人も多い。しかし、世の中には、それを嫌う勢力もある。死後の霊魂の存在や霊界の存在を否定する人も多い。ただし、国民の約半数は霊魂の存在を信じており、特に、女性の4分の1は心霊現象を経験しているという。

歴史的には、日本の文化は古事記、日本書紀の時代から、霊的/神秘的なものが基本だった。しかし、明治維新以後の近代化によって、そのような問題は古い因習、時代遅れの迷信として軽視/蔑視されるようになった。それでも、幕末に仙人から超能力を与えられたという「寅吉」の物語は、「平田篤胤」による記録が残っており、今でも関心を持つ人は多い。

明治維新の頃には、神道や仏教の霊から霊感を受けた人間が金光教、黒住教、天理教などを打ち建てたが、天皇神道を国策とした明治政府は、天皇崇拝から外れた宗教、霊的運動は抑圧した。

例えば、幕末生まれの心霊治療家の「長南年恵」(1863-1907)は、当局から疑われ、新聞で叩かれた。東大助教授の「福来友吉」(1869-1952)の念力/念写実験なども、当時の学会の権威筋から反発を買い、福来は東大を追われた。明治以後、最大の霊能力を持った宗教家と言われる「出口王仁三郎」(1871-1948)の大本教は政府から徹底した弾圧を受けた。しかし、第二次大戦でアメリカに敗戦した政府/天皇家は一転して、アメリカ文化を積極的に導入し、宗教の自由を国策にし、アメリカの事実上の国教のキリスト教だけでなく、全ての宗教活動を容認し、戦後の日本は新宗教ブームとなった。その結果、天皇家は神道色を薄めて存続し、日本の伝統の仏教や神道も生き残り今日に至っている。

1970年代に超能力者の「ユリ・ゲラー(1946-)」が来日し、スプーン曲げをテレビで演じたことが戦後の大きな転換点になった。この影響で多くの子供たちが超能力を発揮するようになったが、この時は、サヨク系の朝日新聞傘下の週刊朝日が、子供たちのインチキぶりを暴き、ブームは一時後退した。ただし、工学博士の「政木和三」(1916-2002)や「猪俣修二」は科学的に超能力を認め研究を深めた。政木は、仏像の出現なども体験し、脳がシータ波状態になった時、人間にはスプーン曲げなどの超能力が生じることを発見した。また、霊感を得て湾岸戦争や昭和天皇の死亡につて正確な予言も行った。さらに、霊感を得て短時間で多くの特許を考案し、しかも、無料で社会に提供したので、神によって寿命を延ばしてもらえたと書いている。政木が霊感を得て作曲した曲は今もネットで公開されている。

そもそも超能力は人間の心から発するものであり、超能力者の心理状態に影響される。調子の悪いときの子供たちが、超能力を見せるように強要されると、大人の期待に応えようとして、インチキをやる場合もあるのは常識とすべきです。しかし、日本のサヨクも物質主義であり、戦前の権力筋と同様に心霊/超能力を嫌う。だから、週刊朝日は、心霊能力や超能力を全てインチキであるとして、今なら人権問題となるようなスプーン曲げ少年への攻撃を行った

ユリ・ゲラーも体調不良時には、好意的な立会人からエネルギーを得ようとしている。霊や超能力を疑う人間に監視されれば、超能力者も力を発揮できない。だから、心霊/超能力は、科学的実験には向かない。それでも、ユリ・ゲラーの能力は世界で認められ、アメリカの政府や軍は超能力を研究していた。中国やソ連でも、政府や軍がこの分野の研究を続けている。そして、ユリ・ゲラーは、超能力で油田や金鉱を発見し、巨額の富を得ている。彼の社会的成功が、スプーン曲げは真実であることを証明している。週刊朝日は、追い詰められてインチキをする無力なスプーン曲げ少年は攻撃できても、ユリ・ゲラーは攻撃できない。

また、阪神大震災時の社会党の村山首相や、東日本大震災のときの民主党の菅首相が、震災後に首相の座を追われたのは、物質主義的なサヨク勢力に対する「日本の神々」による警告だったとも思われる。サヨクは日本の伝統文化を否定し、中国やロシアのような強権国家を目指し、日本の伝統的な霊的文化を破壊するのを、「日本の神々」は恐れたものと解釈できる。

なお、1970年代にユリ・ゲラーが話題になったとき、後のオウム真理教や幸福の科学に影響を与えた「高橋信次」(1927-1976)がその霊能力で活躍していた。彼は電気事業の傍ら、地味な宗教活動しかせず、過激な行動はしなかったが、その霊能力は多くの関係者に影響を与えた。しかし、1995年のオウム真理教事件でメディアは、オカルト/心霊問題を自粛する。その影響で、当時、霊能力者としてテレビで人気のあった冝保愛子(1932-2003)が一時テレビから消えた。しかし、拝み屋や占いに頼る人々は減ることはなかった。冝保愛子の活躍は、多くの一般人から共感を得ており、その霊視力は高く評価されていた。また、立花隆が「臨死体験」の本を書いてから、霊的体験を大っぴらにする者が増えた。1970年代の週刊朝日による超能力潰しは、1990年代の宜保愛子の霊能力人気で過去のものとなったが、オウム真理教事件で20世紀の末には心霊系の番組は敬遠された。それでも、21世紀になってスピリチュアリズム・ブームとして再び霊的問題は脚光を浴びることになる。

現在では、元東大教授の矢作直樹(1956-)が死後の霊の存在を肯定しているが、その何十年も前に、東大医学部卒の医師、塩谷信男(1902-2008)が心霊主義を研究し、交霊会も行っていた。塩谷自身も「手かざし治療」を行っており、昭和天皇の皇后の治療も行っていた。そして、心霊主義に基づいて正心調息法をあみ出した。塩谷が著述を始めたのは90歳を超えてからであり、塩谷の心霊/超能力関係の主張には、さすがにサヨク系ジャーナリズムも沈黙するだけだった。

ヨーロッパでは、聖母マリアの出現が信じられており、その出現の地のフランスのルルドでは、聖水が湧き出し多くの病人を癒している。ただし、ヴァチカンは悪魔も奇跡を起こせるとして、奇跡の認定には伝統的に慎重な姿勢を取っている。イギリスでは心霊治療も公認されている。キリスト教自体が、本来、イエス・キリストの霊性に基礎を置いているのだから、欧米人には超常現象を許容する基盤がある。

そもそも、神道は日本人の霊的伝統に根ざすものであり、仏教の真言宗は超能力を持った空海が始めたものであり、念仏宗教も言霊の霊的力に基礎を置いており、日本人には霊性や超能力を信じる心がある。それを、エリート学者やサヨク系のジャーナリストは危険視する。彼らが信じる物質文明の基盤が、心霊主義などによって危機に瀕すると考えている。敗戦で国家神道として祭り上げられるのに懲りた天皇家も、霊的問題からは遠ざかっている。

現代の物質文明や科学では、まだ解明できないことがある。特に、精神や心と物質の関りは科学の埒外にある。西洋科学も宗教と精神、物理的現象の関係は解明できていない。

従って、霊的現象は素直に受け入れるべきであるが、霊界には神や天使だけでなく、悪霊や悪魔もいる。正しい信仰なくして、霊的問題に関わるのは危険だと言うことです。

なお、高橋信次はブッダの生まれ変わりであると主張し、政木和三は前世が日蓮であり、塩谷信男は老子だと主張していた。霊的問題の研究は、奥深く複雑です。また、チベット・ヨガの求道者の成瀬雅春は空中浮揚ができる超能力を得たとしている。物質的文明に埋没し、物欲に駆られる人間には理解できない世界が霊的、精神的世界にはあることを忘れるべきではない・・・

そして、2千年前に霊能力や超能力で人々を救い、神への信仰を教えたのがイエス・キリストであり、そのキリスト教を基盤として現代西洋科学も発展してきたのです。科学によって霊能力や超能力を否定するのは、むしろ、イエス・キリストの精神に反するのです。

(なお、「スプーン曲げは手品でもできるが、超能力/霊能力でも出来る」と考えるのが正しい・・・)