2022年5月29日日曜日

悪魔や悪霊が子供を惑わす可能性・・・

 


「令 和 元 年 に お け る 行 方 不 明 者 の 状 況」(警察庁)によれば、

日本では、「行方不明者の届出受理数は、過去10年間ではほぼ横ばいで推移。 令和元年は86,933人・・・男性が55,747人(構成比64.1%)、女性が31,186人(構成 比35.9%)・・・年齢層別では、20歳代が最も多い。70歳以上は増加傾向・・・」となっている。

原因は、認知症又はその疑いによるものは17,479 人(構成比20.1%)・・・また、9歳以下は約1,000人・・・令和元年中に所在が確認等された者は84,362人で・・・2年以上たって発見された行方不明者は約5%で5,000人。毎年、ほぼ、千人ほどの人間が長期行方不明になっていると思われる。さらに、身元不明の遺体は、全国で2万体、東京都だけで3千体発見されている。自殺者は全国で約2万人。(なお、2020年には海外旅行中の日本人の殺人被害者は5名、行方不明者は約30名)

ちなみに、アメリカでは年間に80万人近くの18歳未満の子供たちが行方不明(中国では約2万人)。その大部分は誘拐が原因だと言われている。

日本でも昔は「神隠し」と呼ばれる行方不明事件がしばしば発生していた。民族学者の柳田国男(1962年没)は小学校入学前後に、なぜか神戸に親戚がいると信じて、姫路辺りの自宅から神戸に向かって歩き始め、かなり歩いたところで知り合いの農夫に見つかって自宅に連れ帰られ、行方不明にならなくてすんだと書いている。利発な子供の方が、霊的、空想的、幻影的な力の影響を受けやすいのかも知れない(かつての霊能力者、宜保愛子の例もある)・・・

江戸末期に平田篤胤が注目した寅吉と言う少年は、江戸から仙人に連れられて山地に行き、行者のような修行をしたと言う。明治時代の霊能者の長南年恵も霊に連れられて山地に飛んだと言われる。いずれにしても、常識的な現象ではなく、霊が関わる超常的な現象に出会い、仙人などの霊的存在と関わる人間もいることを示している。

18世紀のスウェーデンの霊能者のスウェーデンボルグによれば、霊界の悪霊などが人間の心に入り込み、どこへとも見知らぬ土地に誘導して、神隠しのような状態に導くことがあるという。

要するに、人間には魔がさしたり、何かの異常な想念にとらわれるという状態に陥ることがある。特に、小学校の低学年以下の子供や、認知症の老人などは、何かを想い込むと、その方向に突き進むということがある。周囲の人間が目を離したすきに、あらぬ方向に動き出すことがある。本人は、幻や霊を見てそれに従って動いているつもりなのかも知れない。

山梨県のキャンプ場で行方不明になった小学1年生の女児も、幻に誘われて川沿いの林道に入り込み、山頂を目指して山に分け入り、下るときに夕闇の中で道を間違って急な枯れ沢に迷い込み、滑って頭を打って意識を失い、そのまま命を落としたのかも知れない。林道の終点近くの斜面に彼女の足跡が、事件直後、ボランティアによって発見されていたこともそれを証明しているように思える(ご家族には気の毒ですが・・・)。特に、学校の行事などで同年代の子供同士の監視がある状況ではなく、本人が何かの幻影を見て、単独で行動するのを制止する抑止力のない状態は危険だということになる。

海外では、聖母マリアが子供たちに姿を見せるという出来事がしばしば発生するが、聖霊や善霊、天使などは心配ないが、悪魔や悪霊が子供を惑わす可能性をバチカンは懸念している。だから、聖母マリアの出現には慎重な調査が行われる。悪魔や悪霊が、聖者を装う例もあるとされている。特にキリスト教では、世の終わりには「にせキリスト」が現れるとして、警戒を呼び掛けている!

それでも、ポルトガルのファチマやフランスのルルドなどの聖母マリアの出現の奇跡は教会も認めている。日本でも秋田県の修道会でマリア像に涙が生じたとされている(世界的には有名な事件)。今でも、ボスニア・ヘルツェゴビナのメジュゴリエでは、信者に聖母マリアが出現し世界中から来る礼拝者が後を絶たないという。こういう場合には、信者の病気が治ったり、精神的に救われることで、神様の真実の愛の表現だと分かる。

霊などについては、安易な姿勢で接するのではなく、しっかりとした宗教観を持って接することが重要だということです。家族が信頼できる死生観を持っていれば、認知症の高齢者も子供も霊が生み出す幻やおかしな想念に従ってさ迷い出し、行方不明になることは防止できるだろう・・・