幕末・明治新前後には、日本でも霊的な活動が活発に行われ、黒住教、天理教、金光教などの新宗教が発生した。この動きは第二次大戦に向かって大本教などの出現もあって、天皇神道を推し進める政府と摩擦を生むこともあった。霊能者は、第二次大戦に向かう天皇神道中心の日本政府への警告を示すことが多かったからです。
戦後は、天皇神道から解放されて、璽宇などの新宗教が発生した。特に、霊能力を持った高橋信次などが新たな信徒を獲得し、その延長にオウム真理教や幸福の科学などがあるとされている。
また、1980年代や1990年代には、霊能者として宜保愛子などがテレビで活躍した。オウム事件以前に活躍した宜保愛子の影響もあって、現在もオカルト業界は社会に根を張っている。また、作家の佐藤愛子が霊体験を本にしたり。東大の医師の矢作が霊媒を通して亡き母と通信したとする本を書くなど、心霊主義は幅広く浸透している。
さらに、1990年代には立花隆が臨死体験について本を書き、60年代からアメリカでキュブラー・ロスなどが開拓した死後の世界に対する関心が日本でも根付くことになった。これは、世紀末に向かう人々の不安感が求めたたものであったとも考えられる。
現実に、明治維新前後の新宗教ブームは、西欧化して文明化する陰で、第二次大戦での300万人の国民戦死に向かう日本への警告であったと考えられる。天皇神道で国民を洗脳させた政府に対する批判から、戦後はより自由に霊能力を追求する動きが生じ、世紀末を通して現在につながっている。
しかし、グローバルな時代の世界の主流は欧米のキリスト教です。日本の霊界も世界の霊界に属すると考えるべきなのです。第二次大戦は、天皇神道を中心とする日本の霊界と、キリスト教を中心とする世界の霊界の勢力争いという一面があり、キリスト教国のアメリカに占領された日本は、事実上、欧米のキリスト教を基盤とする霊的世界に属することになったと言える。
今の新宗教の教祖の大部分は、ブッダとイエス・キリストの霊力を認め、それと同格の霊力を自分も持つと主張することが多い。いずれにしても、死後の世界、霊の存在は、神道、仏教、キリスト教の教えを全て認める形で、日本の社会で認められる方向にある。
世界の正統の宗教感覚から言えば、神様がイエス・キリストや聖母マリアを人間界に送って、警告をしているということになる。全人類の破滅が近づいている現在では、日本固有の神道や仏教に基づく霊的な警告ではなく、この2千年の世界文明の基礎となったキリスト教の霊的な警告に耳を貸すべきだということになる。
20世紀になってますます科学・技術を発展させ、その物質的な力で、21世紀になっても富の追及をやめず、神様に背を向け、悪魔に洗脳され、腐敗・堕落する人類に神様が怒って、人間を処罰しようとする、というのが真摯なキリスト教徒の予感です。富を求めるあまり、悪魔を神と崇める人間ばかりになれば、神様は人間を見放すと考えられるのです。
しかし、富裕層、エリート、社会の成功者、幸福な人々は、富を獲得し、維持するために悪を許容し、悪魔に魂を売って、神様の教えに従う気持ちなど持たない。イエス・キリストが2千年前に出現し、霊界の浄化を行ったのに、2000年後の今日、人々が神(愛と真理)より悪魔(富と腐敗)を選んでいるのに神様が怒って、人間を処罰する。そして、その効果が今世紀中に現れると考えるのが正しいのです。
実際に、21世紀になってから、テロとの戦争、世界金融危機、福島第一原発事故、中国の独裁主義的な勢力拡大、コロナ大感染、ロシアのウクライナへの侵攻など危機が続いている。コロナが世界で終息するのは、2025年頃になり、2030年代には第三次世界大戦が危惧される。人類の文明の危機に対処するには、世界的なキリスト教を基盤とする霊的警告(心霊主義)に耳を貸すべきです。日本固有の霊界に重きを置く時代は終わったと考えられる。この意味で、日本人も、仏教や神道、日本の新宗教とは別に、聖書を読んでキリスト教的な霊性を高める必要があるのです。