20世紀の世紀末は、1990年に始まった。
1989年の1月には昭和天皇が崩御し、昭和戦後の終焉を告げた。1989年の6月には中国で天安門事件が生じ、そして、1990年にベトナム戦争以来の米軍の本格軍事作戦となるペルシャ湾岸戦争が始まり、1991年に共産党独裁のソ連が崩壊した。戦後の冷戦が事実上、終わった。中国は共産党の独裁体制のまま市場経済に突き進み、ロシアはソ連崩壊の混乱の中で民主的体制と市場化を目指した。世界は、欧米・日本が主導する民主主義的資本主義体制の繁栄に覆われるかに見えた。
しかし、GDPでアメリカに次ぐ世界第二位となって、1990年のバブル崩壊後も繁栄を続ける日本に警告を告げたのは、1995年の阪神大震災と同年のオウム真理教事件だった。戦後50年の節目の年に、自然災害の潜在的危機とカルト宗教の危険性が日本に告げられた。1997年には、英国王室のダイアナ妃が不審な自動車事故で死亡し、同年には人道活動で世界から称賛されていたマザー・テレサも病死した。そして、1999年にはアメリカのクリントン大統領が不倫を責められる中で、同じく民主党の期待を浴びていたケネディJrが飛行機事故死した。20世紀の夢は終わり、1990年代の後半には、世紀末の闇が欧米・日本にも広がって来た。
そして、人類が21世紀を迎えると、直ちに同時多発テロがニューヨークとワシントンで生じ、アメリカはテロとの戦争に突入した。平和に1990年代を切り抜けた人類も、2001年の9月11日以降、テロに脅える時代に入った。その後、ロンドン、パリ、マドリード、ジャワ島、ムンバイなどでイスラム過激派などのテロが2000年代に続発する。
2004年のクリスマスの翌日には、近年最大規模のスマトラ沖大津波が発生し、2005年には、時代の変わり目を象徴するように、1978年からカトリック法皇の地位にあったヨハネ・パウロ2世が死亡した。ちなみに、1917年の聖母マリアの警告を受けた修道女ルチアも2005年に死亡し、聖書の「世の終わり」が想起された。
2000年代には米国ウォール・ストリート発の金融危機が生じ、米国ではITバブル崩壊、エネルギー産業の破綻とあいまって混迷が深まり、強欲資本主義への批判が強まったが、黒人初の大統領のオバマが登場し事態は沈静化した。この時期、中国は欧米との協調姿勢を見せて経済を拡大させ、ロシアも欧米・日本と協調して、民主化を促進した。日本もリーマン・ショックの影響でリベラルの野党が選挙で政権を奪った。世界は平和・リベラル化の方向に進むように見えた。
しかし、2010年代になって世界の雰囲気は一転する。日本では、2011年に東日本大震災と福島原発事故が発生した。中国は、2008年の北京オリンピック以降、GDPで日本を抜いたが、四川地震に襲われ、また、その覇権主義的姿勢によってアメリカとの摩擦が強まった。ロシアはウクライナのクリミア半島を武力併合し、欧米・日本の民主主義とは対立するようになった。アメリカは、オバマの後任に白人優先主義のトランプが大統領になって国内の分断が広まった。英国はEUからの離脱を模索するようになり、国内外に混乱が生じた。
そして、2020年代になって、香港の民主主義勢力やウイグル族を弾圧した中国発のコロナ大感染が世界を襲い、英国はEUを離脱し、ロシアは本格的にウクライナに侵攻し、世界はエネルギー価格の上昇などによってインフレに襲われている。英国では、70年間元首の地位にあったエリザエス女王が老衰死し、ジョンソン首相の後任をめぐって混乱が続いている。中国では、習近平の独裁が強化され、台湾への軍事侵攻も国家目標に掲げた。プーチンも軍事独裁を強め、核戦争も辞さない姿勢を示す。トランプの後任のバイデン大統領は第三次世界大戦・核戦争を懸念する発言を発している。米国の2024年の大統領選挙は不透明感が増している・・・
中国・ロシアの独裁体制の国と、欧米日本の民主主義の国々との対立は深まっている。21世紀の中盤に向かって、世界の異常季候は加速し、政治状況は不透明度を増し、聖母マリアの予言の「時の終わり」の時代になったと思われる。第二次大戦後の平和と繁栄の時代は終わったと考えるべき。2020年になって本当の世紀末が始まったと言える。ただし、その世紀末とは、イエス・キリスト出現以来の2千年間の終わりという意味です。
日本が助かるには、国民が聖書を読んで神様の教えに立ち返り、「時の終わり」の悲劇を少しでも緩和してもらえるように、神様に祈るしかない。
異常季候による大混乱や、第三次大戦の大悲劇は近い・・・