2023年6月9日金曜日

超能力や心霊に関心があるなら、聖書を読め・・・

「スプーン曲げ」というトリックがある。さまざまな手品でスプーンを曲げるという手品がネットでも紹介されている。これは、1970年代にユリ・ゲラーが来日して、テレビで念力によるスプーン曲げを披露したのが始まりです。そのテレビを見た多くの子供たちが(数万人と言われる)自分でも念力でスプーンを曲げ、日本のオカルト・ブームの火付け役となった。学者の中でも成功した者がいるし、一部の関係者には大きなショックを与えたのは事実です。

しかし、週間朝日が、そのような子供の一人がカメラから隠れて手を使ってスプーンを折り曲げていると報道し、超能力ブームは一挙に下火になった。ただし、ユリ・ゲラーはその後も今日まで超能力者として活躍している。彼の超能力がインチキだったという証拠はいまだに確認されていない。むしろ、ゲラーの超能力を認めたCIAなどは、ゲラーに諜報活動の協力を依頼したという。また、当時、射殺される前のジョン・レノンがゲラーと親交を深め、レノンはニューヨークのマンションでUFOを目撃し、宇宙人から不思議な石を与えられたが、それをゲラーに渡したという話も残っている。

日本の子供の場合は、周囲から圧力をかけられ、体調や心理状態がおかしくなって念力が発揮できなくなり、やむなく手を使ったと言われている。それを、カメラでとらえた週刊朝日が、インチキだとして、少年への執拗なバッシングを開始した(今日なら人権問題になるような状況だった)。ただし、一部の関係者は超能力でスプーンを曲げ続け、その後のスピリチュアル/オカルト・ブームにもつながった。ただし、マジシャンなどはスプーン曲げ手品で商売の幅を広げた。

今でもネットで、どのようなトリックでスプーン曲げができるかが多く紹介されている。しかし、念力/霊能力を信じる人も多く、その延長でスピリチュアルな現象やUFOの存在を信じる人も多い。また、霊の存在を信じて、祈禱師や拝み屋を頼る人も多いし、超能力治癒師がもてはやされたこともある(首相経験者や皇族までが超能力ヒーラーに頼ったという)。また、冝保愛子など霊視の能力をもった人物がテレビの人気者になったこともある。ただし、オウム事件などの影響で超能力やそれを売り物にする新宗教は危険視され、サブ・カルチャーとしての位置におかれている。

それでも、妖怪漫画家の水木しげるはNHKも持ち上げ、立花隆はNHKで臨死体験を取り上げた。NHKからは超常現象を取り上げた本も出版されている。また、臨死体験で超能力を得たというシスターの鈴木秀子はNHKに宗教家として出演している。ただし、それが主流の文化になることはなかった。また、ある霊能者などは21世紀になっても民放テレビで人気を得ていたが、日本の宗教界がそれを持ち上げたわけでもない。それでも、佐藤愛子辛酸なめ子などはスピリチュアルをテーマとした作品を発表し続けている。作家/大学教授だった三浦清宏(三島由紀夫の霊と交信したとこともあるという)も心霊主義を主題とした作品を書いている。また、105歳まで生きた東大医学部出身の医師の塩谷信男(1902-2008)は、霊的な治癒を行って(昭和天皇の皇后も治癒した)有名だったが、心霊主義の研究にも取り組んでいた。

実は、超能力/奇跡というのは日本でも欧米でも歴史的に認められていた。空海などの密教系の僧は超能力を駆使したとされているし、欧米のキリスト教では奇跡を起こした神父/修道女をバチカンでは聖者として崇めている。奇跡を起こすルルドの聖水も有名です。また、平安時代には日本の朝廷でも陰陽師などの霊能力者が公式に存在していた。そもそも、天皇家も神話を権威の基礎としている。また鎌倉時代にも、元寇のおりには日本中の僧侶や神主が戦争勝利の祈願に駆り出されていた(その結果、神風が吹いたと信じられた)。しかし、20世紀になってからは日露戦争以降、関東大震災などでも天皇の霊力は発揮できず、今日では、「もはや天皇には超能力はない」、というのが常識です(特に1990年代の平成時代からは、経済の低迷、自然災害に天皇家はなすすべもない)。

念力によるスプーン曲げについては、大阪大学の工学博士だった政木和三(1916-2002)が科学的に追及し現実に生じることを確認し、何冊かの著作に書いている。その結論は、この世には物理エネルギーの他に、精神エネルギーがあるということです。そして、政木は神仏の存在を信じるようになり、自分の前世を知るようになったという(政木によれば、高橋信次や田中角栄は自分と同じ霊的血統に属するという)。つまり、スプーン曲げは手品でもできるが、超能力/霊能力でも可能なのです。むしろ、手品ならその手法が分かれば、誰でもできるが、特別な人間の場合は(特に邪心のない子供なら)超能力/霊能力でも出来ることに意味がある。さらに、ヴァチカンでは徳の高い聖者は奇跡を起こせることを認めている。政木和三という工学博士、塩谷信男という医学博士、三浦清宏という実績のある作家が、心霊主義に傾き、欲得ではなく心霊問題を追及したことには意義がある。

ただし、ユリ・ゲラーはその超能力で石油の埋蔵場所などを霊視し、巨額の利益を得て富豪になったと言われている。スプーン曲げでショーに出演してギャラを稼ぐのとはケタが違う。ただし、ギャンブルで超能力を使おうとしても気分が悪くなったりして、それはやめたと言われている。実際、優れた霊能力者や宗教家は富を求めない。求めれば、その能力が消えるというのが常識です。ユリ・ゲラーは今でもイスラエルで富豪生活をしているが、一般的にテレビ超能力者/霊能者には要注意です。(ゲラーの場合は、第二次世界大戦で600万人が虐殺されたユダヤ人の霊がゲラーを支えているのかも知れない。)

日本の霊能者/超能力者でも宜保愛子などは、宗教団体などを立ち上げて巨額の利益を得ることはなかったが、今ではタレント化して高額のテレビ出演料を得る霊能者もいる。プロの祈禱師になれば、呪術を使う報復に手を貸して高額の謝礼を得る者もいる。20年前には、現職の首相が呪術で倒されたとの噂もある。AI以上に超能力/霊能力には危険な側面があるのです。死者の霊を呼ぶ霊能者は、東大医学部のある教授が利用したことがあるが、呪いの力を悪用しようという者も多い。これについては、天皇に新年の講義をしたこともある学者の小松和彦が、その危険を警告している。呪術を専門とする学者には、宮内庁も関心はあるのだろう。しかし、真の信仰もなく、UFOやキリスト教的神秘などを売り物にする一部の有名人には、悪魔が憑りついている可能性もある。聖書には、奇跡を起こす「にせキリスト」には注意せよと書かれている。

超能力でスプーン曲げを行う分には罪はないが、透視や未来予知、呪術、心霊治療などは社会に大きな影響を与える。政府や主流のメディアは超能力を恐れていると言ってもいい。アメリカやロシア/中国などは超能力を国防に使っているといわれる。ロシアや中国はアメリカから先端技術を超能力で盗んでいる疑いもある。しかし、日本では超能力はサブ・カルチャー扱いであり、まともな研究者や大学は超能力の研究などはしない。しかし、民間のテレビでは米軍で超能力訓練を受けたマクモニーグルや、透視での犯罪解決に有名なオランダのクロワゼットなどを出演させて来た。

特にアメリカ人は死後の世界や魂の存在を信じる人が多い。日本人以上に、オカルトや精神文化は浸透している。テロとの戦争やウクライナ戦争でもアメリカは超能力を使っていると思われる。ユダヤ人のユリ・ゲラーは英国籍も持っており、ロシアが核ミサイルを英国に打ち込もうとしても超能力でミサイルを破壊すると宣言している。日本では超能力は漫画やアニメの世界でもてはやされているが、国家の安全保障への応用は考えていない。自衛隊に超能力部隊を設けなくても、その研究は必要だと思われる。

超能力がスプーン曲げに使われるだけなら問題はないが、呪術として殺人に使われる可能性もある。皆が超能力を使い始めれば、社会は混乱する。だから、日本政府も新聞やNHK、学会などは超能力には触れたがらない。ところが、政治家の中には宗教団体とつながり、専属の呪術師や祈禱師を抱えている者もいると言う。他方、アメリカでは政府がUFOのビデオなども発表している。超能力、心霊現象などもオープンに研究すべき時代が来たと言える。

とにかく、超能力には宗教的裏付けが必要です。ルルドの聖水を認めるバチカンも、「キリスト教的な裏付けのない超常現象は悪魔が起こす」と警告している(ヨハネ・パウロ2世法皇は悪魔祓いの儀式を行ったこともある)。真言教などの超能力を持った僧が反社会的な行動を起こすとは考えられないが、悪魔も超能力を使えることを忘れてはならない。実際に、欧米では悪魔祓いを専門にする神父や専門家がいる。日本でも悪魔や悪霊に魂を売って、その力を利用しようとする者もいる。だから、悪意(攻撃)でも善意(防衛)でも使える祈祷師や拝み屋という職業はなくならない。事件の裏には悪霊がいると言っても過言ではない。日本の元首相が宗教がらみの問題で銃殺された事件も要注意です。犯人も元首相も、悪魔の霊能力の犠牲者だと言えないこともない。

確かに、スプーン曲げなどの超常現象は霊界のエネルギーと関係がある。しかし、霊界には悪魔もいる。キリスト教などの正統の宗教の裏付けない超能力者は、必ず、その能力でカネ儲けを考える。他の超能力者のカネ儲けを責めながら、自分もテレビでカネを稼ぐ者もいる。また、株屋などが超能力シスターを利用しようとした例もある。

日本は国家として、かつて天皇の霊能力を利用し、天皇神道を国民に強要したことがある。今も、天皇家は、自分たちは神話の天照大御神の子孫だと信じている。しかし、天皇神道がアメリカのキリスト教に勝てなかったことは歴史が証明している(戦後、キリスト教系の大学出身者の女性が当時の皇太子(現上皇)と結婚したのが、それを象徴している)。実際、霊能力のない天皇家より、奇跡を認めるバチカンなどのキリスト教が世界の主流です。天皇家は、戦後、キリスト教国アメリカなどに恭順の姿勢を示して生き残りをはかったとも言える。国内では伝統的な権威を示し、国外にはキリスト教文化への恭順を示している。

日本人も、伝統はあるが現代では限界のある日本の神仏に頼って霊能力を扱うのではなく、全人類を対象とするキリスト教に基づく霊性を得るようにすべきです。ユリ・ゲラーはユダヤ人なのでユダヤ教(キリスト教の基礎)の神のご加護を得ているかもしれない。日本人は、日本の神仏の世界の上に、キリスト教の神の世界があることを認めれば、その愛の教えに従って霊能力を扱えるようになる。ただし、危険な呪術などに走ることは、当然、聖書で禁じられている。聖書では死者の霊を呼び出すことも禁じている。霊能力は必要があれば、神の意思によって人間に与えられるのです。霊界の存在を信じた上で、神の教えに従って人間として善行を行うべきなのです。

要するに、超能力/超能力に関心があるなら、聖書を読め、というのが結論です・・・

今世紀の来るべき悲劇を生き抜くには、日本社会もまともな霊性を高めるべきです。その鍵はトリックではない、念力によるスプーン曲げにあると言える。