2023年1月24日火曜日

心霊研究家の塩谷信男と政木和三の教訓・・・

 
富士山

世の中には霊能者という人がいる。あるいは、超能力者という人がいる。そのような人が新宗教の教祖となる例も多い。特に、日本では明治維新の時期や第二次大戦後の時期に、さまざまな新宗教が生まれた。ただし、そのような宗教に入信しても個人に霊能力などがつくわけではない。20世紀末には、サリン・テロ事件でオウム真理教がカルト宗教として批判されるようになり、現在でも安倍元首相の殺害関係で旧統一教会の危険性が指摘されている。結局、新宗教を支えているのはご利益、カネもうけだという認識が広まっている。

つまり、霊能力や超能力があっても、人格の高さを伴わない人間が多いということになる。むしろ、そのような能力をカネ儲けのために使うという例が多い。

ちなみに、超能力者のユリ・ゲラーは宗教団体を創設していない。世紀末に霊異能力者としてテレビで活躍していた宜保愛子も宗教団体を創設していない。また、UFOや宇宙人との交流経験を主張する人々もまだUFO教などは設立していない。心霊主義の盛んなイギリスでも、特に新宗教が横行しているわけではない。まだ、人類は理性を保っていると言える。

困ったときに「神頼み」をするのが日本人の伝統だという見方もある。日本人は伝統的に心のどこかで霊の存在や超自然的な力の存在を信じている。富裕層やエリートでも「げんかつぎ(験担ぎ)」をする者はいる。しかし、そういう「神頼み/仏頼み」を、自分の利益を超えて、「世のため、人のため」にまで拡張する人間は少ない。

そういう数少ない例として、塩谷信男(1902-2008)や政木和三(1916-2002)があげられる。

塩谷信男は、東大医学部を卒業した内科医であり、自身が「手かざし治療」などの一種の心霊治療も行い、1950年代までは心霊研究に取り組み、1980年代に引退するまで、独自の正心調息法などを編み出して患者の治療に努めていた。彼の治療は、その霊的な世界に対する理解に基づくものであり、本人が無意識のうちにも霊能力者のような心霊治療ができたという。特に、昭和天皇の良子皇后を私的に治療したことは注目すべきです。塩谷の診察室では金紛が降ったこともある、というから本人は気が付かない霊媒的体質もあったのだろう。塩谷にとって、心霊現象は当然のできごとであった。

塩谷は80歳過ぎまで東京で内科医を続け、引退して90歳代になって「正心調息法」について本を書き、100歳で脳梗塞で倒れるまで10冊近くの本を出版し、ゴルフでも何度もエージシュートを達成している。ただし、脳梗塞で倒れてから105歳で死ぬまでは寝たきりであった。いずれにしても、霊的な健康法の「正心調息法」を世に広めて、人々の幸福と世界の平和を促進しようとした人物であった。塩谷は数百年前に生きていた大峰仙人と呼ばれる霊との交流で、21世紀には人類に大きな悲劇が生じるとの予言を得ていた。そのために、平和を祈って「正心調息法」を実施するように勧めていた。戦後の日本が平和だったのも、塩谷がずっと平和を祈っていたからだとも考えられる。

他方、政木和三は工学博士として大阪大学の工作センター長を勤め、電気炊飯器などの3千件近い発明をし、大学を定年後は岡山の林原生物化学研究所の顧問となった人物で、宗教団体とは無関係のエンジニアであった。政木が超能力を研究したのは、1970年代にユリ・ゲラーが日本のテレビに出演し、それに刺激されて多くのスプーン曲げ少年が出現したことにある。政木は工学的手法でスプーンが念力によって曲がることを確認し、それ以降、さまざまな心霊現象に出会う。

政木自身にも超常現象が現れるようになり、真珠や仏像などが空中から出現するのも体験する。また、神戸の中村和尚やアントニオ猪木、田中角栄元首相の息子(非嫡出子)などとも交流し、一部の人々の間ではその心霊能力はよく知られていた。また、政木は昭和天皇の死亡や湾岸戦争の終戦なども予言し、自身が空中浮揚も体験している。政木には、霊的に「神様」が語り掛け、無料で特許を公開し多くの陰徳を積んだので寿命を何度も伸ばすと告げたが、2002年に86歳で死亡した。この年は、塩谷信男が脳梗塞で倒れた年でもある。また、政木はGAL教団を創設した高橋信次と通じるところがあり、高橋の40代での1976年の死を悼んでいる。

政木は、人類は3億6千万年前に他の惑星からUFOで来た宇宙人の霊的な子孫だとの説を唱え、人類はガソリン・エンジンなどで自然を汚し過ぎたので、その罰として21世紀から250年間で人類の人口は100分の1になるとの予言を霊から受け取っており、何冊も本を書いてその警告を世に伝えた。

このように、心霊/超能力研究家であり、心霊現象や超常現象の体験者でもあった塩谷と政木は本業を離れることなく、独自に研究を続け、21世紀の悲劇についての予言に出会っている。そして、その警告を世に発していたが、共にその活動は2002年に終わっている。

その後、2003年には宜保愛子も亡くなり、2005年にはローマ法王のヨハネ・パウロ二世とファチマの奇跡の体験者のルチアも死亡している。そして、2008年にはリーマン・ショックが始まり、2011年には東日本大震災が生じ、2014年にはロシアのクリミア占領、2016年にはトランプが米国大統領となってアメリカの分裂が強まり、2020年にはコロナ・パンデミックが生じ、2022年にはクリミア戦争の勃発、中国の台湾周辺での大演習、安倍元首相銃殺と不気味な出来事が続いている。

ただし、ユリ・ゲラーはまだ健在で、ロシアが核兵器を使えば、超能力でロシアに報復すると宣言している。アメリカや中国も超能力者を国防のために動員している可能性がある。

二人の霊的な傾向としては、共に前世を信じていたことにある。塩谷は古代中国の老子の生まれ変わりであり、政木は日蓮の生まれ替わりだと信じていた。さらに、政木はアトランティス大陸で神官だったとも言う。こうなると一般人にはついていけない領域になるが、二人ともゴルフでアマチチュアとしての大きな記録を打ち立て、政木はゴルフに関する本も書いている。二人とも、宗教的な狂信性はなく、現実に根差した常識人でもあった。

つまり、霊能力や超能力があっても、自分の利益のためではなく、世のため、人の為につくさなければならない、という鉄則に従って生きていたことになる。だから、塩谷や政木の経験談や予言は信用できるのです。また、塩谷も政木も神道的な霊能力者という性格を持っており、日本の霊性につながる人物だとも言える。そして、生存中は無関係だった塩谷と政木は共に「21世紀の悲劇」を予言している。

ユダヤ人のユリ・ゲラーはまだ健在だが、塩谷や政木の活動が終わってから20年になる。ロシアのウクライナ侵攻で第三次世界大戦の足音が近づいている今、日本人は霊的に正しい観念をもって今世紀の悲劇に備えなければならない・・・

特に、聖母マリアの警告や聖書の言葉を学ぶことで、正しい世界的な霊的感覚を得るべきです。