東京スカイツリー・タワー
日本で幕末・明治維新の頃、イギリスでは心霊主義が盛んになっていた。コナン・ドイル(シャーロック・ホームズの作者)も、その頃活躍する。日本でも、幕末の新宗教が盛んになり、金光教、黒住教、天理教、大本などが成立し、長南年恵や出口王仁三郎などの霊能者が現れ日清・日露戦争の予言や心霊医療などで威力を発揮していた。また高島嘉右衛門のように優れた易者も現れた。1900年をはさんで第一次世界大戦後まで、アメリカ、イギリス、フランスなどで心霊主義は大いに発展した。
これは、アインシュタインなどの活躍によって、ニュートン力学を超える相対性理論や量子力学が発展した時代に当たる。科学の発展に合わせて、心霊学も発展したことになる。特にイギリスでは交霊会が盛んになり、D.D.ホームのような優れた霊媒が現れ、フランスではアラン・カルデックの霊理論が普及した。日本では、大本が政府に弾圧されるほどに勢いを持った。また、ポルトガルのファチマに聖母が出現し、第二次大戦の予言などを行った。しかし、科学・技術の発展と共に、心霊主義は日陰に追いやられた。日本でも、戦前の天皇神道は廃止され、科学・技術一辺倒の社会になった。
しかし、欧米では心霊主義は根強く生き残り、1960年代のニュー・エイジ運動やキュブラー・ロスやレイモンド・ムーディなどの死の研究や臨死体験の研究が受け入れられ、日本でも戦後の新たな新宗教ブームが起こり、丹波哲郎の霊界研究が脚光を浴び、さらに、超能力者ユリ・ゲラーの出現によって新たに心霊・超能力ブームが起きた。オウム真理教もこの流れで成長した。また、冝保愛子の霊能力や妖怪漫画の水木しげるなどもメディアで脚光を浴び、巷では密教僧、祈祷師、拝み屋は根強く影響力を保った。そして、21世紀にいたってもスピリチュアルな話題は人気がある。
そもそも世界の偉大な文化は心霊傾向が強い。古代ギリシアのプラトンやソクラテスも死後の世界を信じていた。初期キリスト教もスピリチュアルな宗教だった。日本の源氏物語も心霊文学だし、平安朝を支えたのも空海のような密教僧だった。能も心霊的な芸術です。日本の国宝級の美術作品は、仏教や神道から霊感を得て作成されたものが大部分です。
また、現在のヨーロッパ文化も初期キリスト教の霊性が基盤であり、中世でのダンテの神曲は霊界を主題とし、今でも読まれている。また、バチカンに対抗してプロテスタントが始まった頃、フランシスコ・ザビエルも所属したイエズス会が霊能者イグナチオ・ロヨラによって創設され、カトリックも霊的に刷新された。また、シェクスピアの作品にも心霊傾向が強く表れている。そして、ニュートンは科学の研究より、聖書の研究に熱心だった。同じ18世紀のスエーデンボルグは霊界を見聞し、膨大な著述を行い、今もスピリチュアリズムに影響を与えている。アメリカでは南北戦争の頃から心霊現象に関心が高まり、リンカーンもその影響を受けたと言われる。また、霊能者ケーシーは高く評価され今でもその著作は読まれている。アメリカでは前世治療なども行われるようになり、今も心霊問題や死後の世界への関心は高い。フランスのアラン・カルデックの影響はブラジルで生き残っており、カトリックのブラジルやフィリピンでは今も心霊治療が盛んだ。
興味深い例では、ジョン・レノンがニューヨークでUFOや宇宙人に合い、謎の石を与えられたが、彼は気味悪がって、それをユリ・ゲラーに与えたという。日本人のイメージとは違ってイギリスでは今も心霊主義が盛んで交霊会も行われているという。日本の霊能者もイギリスで学ぶものがいる。恐らく、エリザベス女王が高齢まで生きたのも、心霊治療などを受けていたからだと思われる。
しかし、心霊主義は政治の権力者からは警戒される。特に、日本では戦前の天皇神道の行き過ぎへの反省、過激な新宗教(オウム真理教や統一教会)への警戒などから大手のメディアではスピリチュアルな話題は敬遠されている。実際、霊感商法と呼ばれる悪質な勧誘を行う宗教団体もある。それでも、日本社会の頂点にいる天皇家は、日本神話の神(天照大神)の子孫だと自ら信じている。これが、天皇家の権威の基盤になっている。実際、古代には古代中国から来たと思われる天皇家の祖先は文化的優越性や呪術で弥生人を支配したと思われる。しかし、仏教伝来後、大化の改新後の白村江の戦いで中国の唐に敗戦して以来、天皇家の霊能力は失われたと思われるが、密教や陰陽道などを取りれて平安時代を乗り切ったが、鎌倉時代前後の新仏教の霊力を取り入れた武家に政権を譲り、明治維新まで細々と京都で生き残っていた。しかし、徳川政権を倒し明治時代を打ち建てた勢力は天皇家をかついで権力のシンボルとして、最後は天皇神道を振りかざしてキリスト教国のアメリカと戦争をしたが敗戦し、現在まで日本はキリスト教的民主主義国アメリカの影響下にある。今では、天皇家もアメリカ・イギリスへの留学で箔をつけている。もはや、古代からの天皇家の霊能力は失われている。
要するに、世界は物質文明の陰で心霊文化が働いている。人々が密かに関心を持つのは当然です。エジプトのピラミッドも当時の心霊主義の産物だと考えられる。古代中国が生み出した漢字も呪術の産物です。世界では、ユダヤ民族の一神教を受け継ぐキリスト教やイスラム教が主流であり、東アジアや東南アジアでは輪廻転生を克服しようとした仏陀の教えが普及している。人間は霊性がなければ、文化も持てないのです。
世界の歴史を振り返れば、最も威力のあるのがキリスト教だということになる。ただし、初期の霊的なキリスト教が重要であり、そこから現代物質文明をけん引する欧米の科学が生まれたことになる。日本は明治維新後、欧米の科学・技術を学ぶだけではなく、その基盤のキリスト教をもっと学ぶべきだった。現在でも、キリスト教は尊敬しても信仰する日本人は国民の1%しかいない。そして、縄文時代からの日本の清貧主義と天皇神道を混同している。この霊的な混乱状態に新宗教や商業的なスピリチュアリズムがつけこんでいる。
従って、今世紀の来るべき危機(第三次世界大戦や自然大災害)を日本人が乗り越えるには、正しい心霊主義を実践する必要がある。それには、日本の伝統的な清貧主義とキリスト教の聖書を結合させることです。そのためには、無意味な象徴天皇制を廃止し、新たに大統領を導入し、霊能力の高い人間を新天皇として民主的に選ぶことです。
強力な権限を持った日本国大統領と、霊能力のある新天皇の下で日本は今世紀の来るべき危機を乗り越えるべきです・・・