そもそも、キリスト教の聖書自体が霊的な内容を含んでおり、信仰の核には霊的インスピレーションがある。ただし、18世紀の著名な霊能者スウェーデンボルグによれば、霊界には人間に悪意を持つ悪霊も多く、一般人が霊と交流するのは危険が付きまとうと警告している。霊的問題と宗教は切り離せないが、あくまで聖霊、善霊と結びつくのが正統の宗教です。
一方、臨死体験では、多くの人が死後の世界(霊界)を経験している。また、一般人の中にも霊的能力を持った人が少なからずいる。カトリックのシスターの中には霊能力で著名になった女性や、東大医学部の教授の中にも、霊媒を通して霊との交信を経験した者もいる。従って、一概に、霊界や死後の世界、霊能力を否定することはできないが、霊界には悪魔や悪霊もいる。霊的問題については、キリスト教や仏教など、伝統と実績のある宗教関係者を通してかかわるのが安全だと言える。
キリスト教の信仰生活や祈りは、信者の霊的能力を高め、天界につながることを目的としている。仏教の修行も、雑念を払って、霊的能力を高めることを目的としている。逆に言えば、霊的能力は信仰生活や修行を通して獲得できるものだということになる。
日本全体には、霊的能力を持った人間は何十人もいると思われる。彼らの中には、霊視能力で、例えば、北朝鮮に拉致された横田めぐみさんの居所を知ることができる者もいるかも知れない。むしろ、政府がそのような霊能力者を使って拉致被害者の現状を探るべきかも知れない。拉致被害者の家族が、そのような霊能力者に頼らない方が不思議だと言うことになる。例えば、「横田めぐみさんは、今、ピョンヤンの高層マンションに住んでいる」などの霊視情報が得られれば、家族にとっては慰めになるかも知れない。
ただし、霊界には怨霊もいる。バチカンは、悪魔払いを専門とするエクソシストも公認している。日本の神道でも、怨霊を鎮めるという考えが平安時代には一般的だった。先の大戦で戦死した300万人の怨霊が、戦争責任のある天皇家などに取り付いていると思われる。霊能力者には、そのような怨霊が見えるはずである。1年に1度、8月15日に慰霊式典を行うだけでは除霊できないと思われる。だから、天皇家には男子の跡継ぎが生まれず、今世紀には消滅する可能性が出ている、とも考えられる。
人は死後、その魂は霊界に入る。従って、霊的問題は全ての人間に関係のある問題だということになる。無神論者でも、死後は霊界で生きる。ただし、信仰心のある霊は、霊界から天国に入るが、邪悪な人間の霊は、霊界から地獄に行くというのがキリスト教などの教えです。霊的能力は、この世のカネ儲けや、世の中での成功のために使うべきではない。守護霊に守ってもらって幸福になりたいと願う前に、正しい信仰心を持つべきです。
それでも、霊能者が、北朝鮮拉致被害者の居所を霊視するなら、神様も大目に見るだろうと思われる。霊能能力を人々の役に立てるのは、意外と難しい。政府が管理することもできない。それでも、拉致被害者が霊視能力者に頼らないのが、むしろ不思議に思われる。