人間には2種類ある。金持ちと貧乏人です。
そして、「金持ちは死後、天国に入れない」というのがイエス・キリストの教えです。
この単純な教えが、2千年にわたって発展し、現代の世界文明をもたらしたキリスト教の基盤となったのです(仏教や儒教・神道が世界文明の基礎となったのではない)。特に、近代の世界を支配した欧米各国の事実上の国教はキリスト教でした。
日本は明治維新となるまで、キリスト教は江戸幕府によって禁止されていました。明治維新で欧米の科学・技術は取り入れても、その基本のキリスト教は全面的には受け入れませんでした。しかし、第二次大戦での敗戦後、日本を支配したアメリカは、キリスト教的民主主義に基づく新憲法を導入しました。これが、現憲法です。
明治の大日本帝国憲法は、天皇神道に基づく天皇絶対制を導入するものであり、それが、非人道的で愚かな軍国主義につながったのです。昭和の敗戦後に導入された現憲法は、アメリカのキリスト教に基づく民主主義を全面的に導入するものであり、その上に戦後の日本の復活と、経済の発展が保証されたのです。しかし、日本人でキリスト教徒を自称する者は、国民の1%にも満たない。(世界の人口の32%はキリスト教徒)。
日本でキリスト教は、明治以来、主に欧米から導入された。欧米は先進国であり、日本より豊かな地域だった。従って、「キリスト教は金持ちの宗教」だとの印象が強かった。ただし、外国人宣教師でも、日本で貧民救済の活動に携わる者はいたし、今でも、教会は貧民救済の活動に関わることは多い。それでも、文化程度の高い欧米発のキリスト教は、一般日本人には敷居が高かったのです。また、日本人の聖職者も、欧米のキリスト教組織とつながることで、一般人より進んだ人間としてプライドの高い者が多く、一般の人間との間に見えない溝があったのです。牧師や修道女は、先進国の欧米の宗教に関係する者として、密かなプライドを持つ者も多かったのです。しかし、本来、キリスト教は「貧乏人の宗教」だったのです。
なぜ、「貧乏人の宗教」のキリスト教が、「金持ちの宗教」になったのかは世界の歴史を見ればわかります。キリスト教に基づく欧米社会で産業革命・科学革命が遂行され、欧米は物質的に豊かになり、現代の世界の物質文明を支配することになった。欧米文明がなければ、電気もガスも水道も、鉄道も自動車も飛行機も生まれなかったのです。キリスト教は、現代の物質文明の基本となったのですが、問題はその文明がもたらした富が欧米のキリスト教徒を堕落・腐敗させたことです。特に、世界最大の富を持つにいたったアメリカのキリスト教社会が戦後は、堕落・腐敗し、一種の混乱に陥ったことが大きい。ヨーロッパでも、カトリックの影響が年々低下し、人々の教会離れが進んでいる(それでも、ヨーロッパ人の75%はキリスト教徒)。欧米人も、「神」よりも「カネ」を選び始めたと言える。アメリカでは「無神論者」の割合は25%になり、アメリカのカトリック教徒を上回っている。(アメリカでキリスト教徒を自認する者は65%)。
日本のキリスト教の本家の欧米で、キリスト教の停滞・混乱が見られるくらいだから、日本でもキリスト教の影響は停滞する。ただし、日本人で、イエス・キリストの名前を知らない者はいない。それでも、「キリスト教とは、本来、貧乏人の宗教」であることを理解している者は少ない。欧米でも、その意識は低下している。
従って、日本人も聖書を読んで、自らイエス・キリストの教えは何であったのかを知る必要があるのです。そして、結論を言えば、「イエス・キリストは貧乏人を救うために、この世に来た」ということなのです。
つまり、キリスト教の教えとは、「金持ちは死後、天国に入れない」ということなのです。しかし、今の欧米人はこの教えを素直に受け入れることはできなくなっている。日本人も、キリスト教に近づく者の大部分は「キリスト教は金持ちの欧米人の宗教だから、ご利益がある」と考えている。これは、全く正反対の意味を示している。
2000年前、ローマ帝国に支配されていたパレスチナの貧しいユダヤ人を救うために、イエス・キリストが宣教を開始したのが、キリスト教の出発点なのです。富もなく、教育もなく貧しいユダヤ人に理解できたのは、複雑な神学ではなく、「金持ちは死後、天国に入れない」という教えです。そして、この教えが現在まで2000年間伝えるのが聖書なのです。教会も、牧師がいくら金持ちになりたくても、この教えに反することはできません。だから、教会は貧し人や、ホームレスが助けを求めてくれば無視することはできないのです。
欧米でも日本でも、「金持ちは死後、天国に入れない」というイエス・キリストの教えから遠ざかってしまいました。つまり、「人間は、この世で貧乏になって、死後は天国に入るべき」というイエス・キリストの教えを無視する人間ばかりになっているのです。欧米でも日本でも、カネに洗脳された人間ばかりになっています。カネは悪魔の小道具です。カネを使って人間を洗脳するのは、悪魔とその手下の悪霊です。この腐敗・堕落した社会に神様が怒って、コロナの大感染を起こした、というのが神学的解釈になるのです。
つまり、人々がカネを嫌い、富を憎むようにならなければ、コロナの大感染は終息しない。または、今回はコロナが収束しても、またいつ新たなウイルス大感染が生じるかも知れない。
欧米・日本が神を忘れて豊かになり、中国も富に洗脳された世界では、いつ、コロナのような世界的な感染爆発が起きても不思議はないのです・・・
神を忘れた世界では、いつ、コロナのような世界的な感染爆発が起きても不思議はないのです・・・