イエス・キリストの教えの革命的な点は、この世の価値観を変えたことです。
ただし、キリスト以後、2千年たって、その教えは形骸化している。これが、現代世界の全ての問題の元凶だと言っていい。
その教えとは、「貧乏人は、死後、天国で幸福に暮らすが、金持ちは、死後、地獄に落ちる」ということです。つまり、霊的には貧乏人が「上」で、金持ちが「下」だということです。この世の価値観が、キリストの教えでは逆転するのです。
この教えを信じれば、誰もが貧乏人を目指して生きるはずです。しかし、死ねばおしまい、という考え方が世の中の主流となっている。人間の魂は肉体の死後も生き残るという考えは、まだ世の中の常識にはなっていない。魂の存在や、霊界の存在もオカルトの世界の話しだということになっている。とにかく、生きている間に幸福を求めると言う生き方が主流になる。そのためには金持ちにならねばならない、と人は考える。
霊や霊界の存在を認める宗教も多いが、「金持ちは地獄落ち」という教えをその聖典に書いているのは、キリスト教くらいのものです。
さらに、悪魔はカネでもって人間を支配するという教えが、本来のキリスト教にはある。悪魔に魂を売らなければ、1円も手に入らないような社会になっている。従って、金持ちほど悪魔に魂を売っている。そして、悪魔に魂を売った人間は、腐敗・堕落する。悪魔は人間の欲を刺激して金持ちを志向させ、カネを得た人間を腐敗・堕落させる。腐敗・堕落した人間は神の教えから遠ざかる。そして、死後は、金持ちの魂は地獄に落ちる。
イエス・キリスト様は、貧乏人を愛し、神様の定めた霊の取り扱いを世に伝えるために、人間社会に2千年前に来た、というのが真実です。この世では貧乏で苦しんでも、死ねば天国で幸福になる、という神の定めを信じれば、それだけでこの世の貧乏人は救われる。だから、聖書の中のキリストの宣教活動を記した巻は「福音書」と呼ばれる。
死後も魂は存続し、貧乏人は天国に、金持ち・富裕層・エリートは地獄に、というのが、この世の常識になれば、世の中は革命的に変わり、貧乏人が苦しむこともなくなるのです。問題解決は政治的な革命ではなく、まず宗教的な革命で行われるべきなのです。