2012年9月11日火曜日

「人間は誰でも、素晴らしい心を持っているが・・・」、ポピュリスムとは?



孟子曰く、「人間は誰でも、他人の不幸を見過ごせない、素晴らしい心を持っている」。

人間は一人では生きれない。そこで、社会が生まれる。社会の基本は助け合いです。

しかし、ヨーロッパ人はアフリカ人などを奴隷にして、自分たちは楽に、豊かな生活を享受した。他民族を不幸にして、自分たちは幸福になろうとした。

古代ギリシア文明、ローマ帝国も奴隷を使うことで文明・文化を発展させてきました。その子孫の欧米人は、奴隷体制の経験のない日本人とは大きく異なる。

日本人なら誰でも憧れる、パリやロンドン。その基本、底辺には奴隷制の伝統がある。アメリカでも1860年代までは奴隷制だった。オバマのようなアフリカ系の人間には、選挙権もなかった。

しかし、産業革命、民主主義の発展によって、奴隷は解放されるようになった。農場で奴隷が働くこともなくなった。自由労働者となった。また、商品の消費者となった。

ところが、資本家・企業によって工場労働のために雇用された貧しい人は、事実上、奴隷のような厳しい生活に置かれた。その厳しから、革命の時代がやってきた。これが20世紀の前半に生じた世界的な現象です。

しかし、革命家も労働者の上に君臨するだけで、聖人でもなければ、君子でもなかった。革命勢力のリーダーは特権を楽しみ、反発する者は収容所に送り込まれて、抹殺されていきました。そこで、反革命が生じ、民主化・市場化がすすめられ、社会主義独裁体制は地上から消えていきました。20世紀後半のソ連の崩壊、中国の解放政策などです。

このような長い歴史を経て民主主義は発展してきましたが、その歴史の中で注目すべき現象が第二次大戦前のヒットラーの出現です。当時のドイツの民主主義体制から独裁者ヒットラーが生まれたということは大きな教訓となりました。ヒットラーによってヨーロッパの600万人のユダヤ教徒は殺害され、第二次大戦がはじまり、数千万人が犠牲となりました。

こういう意味から、ポピュリズムに対する警戒心は今のメディア関係者の間でも強いはずです。大衆に迎合して人気を得て、議会で多数派を形成し、おかしな政治を行う。こういう政治家には警戒心が必要です。

最近の日本では、特に細川政権、小泉政権、鳩山政権には一種のポピュリズムが働いていたと考えられます。このような政権は、それなりに、時代の課題に取り組んだわけですが、やはり弊害もあった。

政治家は地味な方が良い。こういう考えもでてきたわけです。例えば、野田総理や谷垣総裁は地味な方です。しかし、この二人がやったのが「近いうち解散」の密約と増税法案の可決です。これに反発する国民は多い。

他方、なおかつ派手な政治スターを生み出し、ポピュリスムを推進する勢力も現れた。それが、橋下市長をかつぐ人々です。内容のない、テレビ人気だよりの勢力です。とても信用できない、と考えるのが常識でしょう。

人間同士の助け合いは、一人のスター政治家によって推進されるものではない。全国民が助け合うという心を持つことで、このような危険な政治勢力を排除できるのです。

橋下自身も少し勉強すれば、自分のような政治家は日本に相応しくないことに気づくはずなのですが。

特に、生活保護問題、貧困ビジネス、刺青公務員、暴力漫才など、大阪という(犯罪と腐敗の)大都会からデビューした橋下には、全国民が警戒すべきです。


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