2012年8月15日水曜日

すぐれたものは、わざとらしくはない (わざとらしい政治家たち)



老子曰く、「すぐれたものは、わざとらしい形でなく、ごくごく自然なのである」。

野田首相の演説はわざろとらしい。わざと気の利いたセリフを使う。しかし、まともな実績は何もない。だから、消費税の増税で名を残そうとする。名は残るだろう、愚かな首相として。

世界中の政府が財政の赤字に苦しんでいる。現代の世界経済そのものに問題がある。

その問題とは、グローバルな競争です

企業は競争に勝つために、社員の賃金を下げて安く製品を作り、安く売ろうとする。

その結果、国民の所得水準は減る。当然、政府の税収は減る。

また、企業は効率を上げるために電子化を行い、ITを導入し、人員を削減する。失業者が増える。

その結果、政府の福祉経費は増える。当然、政府の財政は赤字になる。

要するに、グローバルな競争の激化に伴って、企業はコスト・経費・人員を削減する。失業者の手当ては国に任せる。国からはサービスを安く受ける。法人税も低く抑えてもらう。そして、競争に勝った企業は莫大な利益を得る。巨額の内部留保金を有する。

しかし、グローバルな競争に勝ち抜くには開発・研究に巨額の資金を投入する必要がある。社員の給与を上げるわけにはいかない。非正規社員やフリーターも採用して人件費を下げる。そのため、所得税からの収入が減り、再び、政府の財政は赤字になる。

日本では特に中国に2万社も進出し、中国の安い労働力を活用してきました。その分、日本国内の勤労者の給与水準が低く抑えられることになった。つまり、中国人の所得水準にまで日本人の給与を引き下げようという力が働いた。ますます、所得税の税収は下がり、財政赤字が拡大した。

日本の財政赤字の根本は、「グローバルな競争の激化」、「中国の安価な労働力」、「日本人の給与水準の引き下げ」、という流れにあります。そして、これはデフレという形で、経済の成長を鈍らせることになった。

しかし、その陰で、企業幹部など、競争に生き残ったビジネスは莫大な利益を得ました。その結果、日本の富裕層の人数は増えています。

「失われた20年」、「デフレの20年」の中で日本の金持ちの数は増えているのです。

もちろん、それ以上に貧困層におちる国民は増えている。

そして、消費税の増税は富裕層には痛くもかゆくもなく、貧困層を苦しめるものです。

野田首相、谷垣総裁はもっと勉強をして、経済・財政について正しい認識を持つ必要があります。
総選挙で野田首相が惨敗し、民主党が野党となっても、自民党は増税を進める。その自民党を再び野党にするには、また4年待たねばならない。

それなら、民主党の代表選挙で鳩山グループの議員を代表・首相に選び、小沢グループを呼び戻し、消費税の税率拡大を停止する政策を行うべきです。

いずれにしても、野田首相の続投、又は、増税派の新代表・首相で選挙をすれば、民主党は壊滅です。民主党の250人の衆議院議員のうち当選するのは100人だと言われています。

今の民主党議員は皆、厳しい評価を下されることでしょう。そして、議員にならなければ良かったのに、とさえ思うでしょう。


******************************

付録: 世界の富裕層の数





**********************************