2012年8月8日水曜日

その日の苦労はその日で十分 (選挙は必ずある)




キリスト曰く、「その日の苦労はその日で十分である。明日のことは思い煩うな」。

これは、本当の苦労人にはよく理解できる言葉です。救いの言葉です。

現在の人間はあらゆるスケジュールに縛られている。予定、計画、進捗状況、あらゆる業務、事務、作業、工事、プロジェクト、生活の場で厳しい管理が行われている。そして、個人の昇進・出世・利益がその順守にかかっている。

キリストは、しかし、そのような人為的な約束事に縛られるなと教えておられる。
日程無視のちゃらんぽらんな態度では何もうまくいかないが、スケジュールの重荷に精神がつぶされてはいけない。

そもそも、人間が3人いれば複雑な状況が10通りくらいは生じる。多くの人々がかかわる組織、社会では数千もの異なる状況が生じる。明日は何が起こるかわからない。これが社会の本質です。必ず事態は変化し、状況は改善する。絶望するな、自殺をするな、犯罪に走るな、おかしな考えに取りつかれるなということです。

さて、日本で最もスケジュールが厳しく管理されているのは国会です。

日本国を動かす法律を作っているのが国会ですから、その運用は確固とした日程管理に従って行われる。

その国会において、全ての日程に優先するのが「内閣不信任案」です。これは、おかしな内閣、首相によって政治が危機に瀕したとき、国を救うために首相を罷免する、そういう意味がある。独裁者、狂人、異常人、犯罪者、売国者そういう不適格者が首相になっていたことが分かった時に、首相を解任する方法がなければ困る。そこで、内閣不信任案というものを用いることができる。

もちろん、それが個人的な中傷誹謗・党利党略・政争にすぎなければ、首相は衆議院を解散して総選挙を行うことができる。自分の正義を国民に訴えることができる。

気楽に内閣・国会を運営していても、不信任案を突き付けられれば、どんな政治家でも我に返る、真剣になる。(下手をすれば日本中の笑いものになる)。

さて、与党の民主党議員はあと1年は国会議員をやりたいと思っている。野田首相も一日でも長く首相を続けたいと思っている。誰も解散などしたいと思っていない。

しかし、野田首相が9月に民主党の代表として再選されるには、財界・財務省の支持が必要。そこで、増税やTPPで彼らの要望にこたえる。その見返りに再選のために影響力を行使してもらう。谷垣自民党総裁は適当にあしらって法案成立に協力させる。小沢を叩いて、反谷垣の自民党の長老にはすり寄る。そして、2009年の鳩山マニフェストなど「待ったなし、待ったなし」で無視する。

つまり、野田首相にとって増税法案は二の次です。9月に再選され、来年の夏まで総理をつとめること、これが計画の全てです。最後には、谷垣との連携も、増税法案も、全てを捨てて、ただ首相の座にしがみつく。解散など考えてもいない。

しかし、こういうやくざな野田首相もなぜか追い詰められている。

民主党議員たちが、野田首相をかついで総選挙・参議院選挙をすれば大惨敗を喫することを明確に意識し始めた。野田以外の誰かを首相にしたほうが、選挙は戦いやすい。とても民主党は野田首相・代表のもとでは選挙はできない。「どじょう」や「ノーサイド」、「親は自衛隊員」の話術は国民には通用しない。

いずれにしても、総選挙は今は3~4年に一度しか行われない。国民は決定的な選択を迫られている。しかし、必ず選挙は行われる。

次回の選挙が不満足でも、さらにその次がある。希望はある。


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Sagami Bay