2012年7月9日月曜日

過去は追ってはならない、未来は待ってはならない (政治家も直ちに道徳を追及せよ)




ブッダ曰く、「過去は追ってはならない、未来は待ってはならない。ただ現在の一瞬だけを、強く生きねばならない」。

多くの成功者、金持ちはあの世を信じない、神を信じない、天罰を信じない、自分の幸運だけを信じている。

従って、成功者が知恵者であり、何らかの宗教的知恵や真理を知っているに違いないと考えるのは間違いです。彼らは、神、愛、正義、隣人愛、道徳などを考えるかわりに、どうすれば出世するか、大金が出に入るか、有力者に気に入られるか、他人を利用するか、外見をとりつくろうか、そういうことばかり考えている。

つまり、成功者、金持ちは過去のことにあまりこだわらないし、未来の問題も気にしない。基本的に今を贅沢に、楽(らく)をして、いい気分で生きていくことを考えている。そういう意味では、成功者、

金持ちの多くは無責任人間です。
逆に、良心的な人間、他人の不幸にも気をつかう人間、道徳的な人間、正義を求める人間ほど、過去を悔やみ、将来を心配する。そして、そのような後悔と、将来の重荷で、心理的に押しつぶされることも少なくない。そういう人の心を救うために、ブッダは、「過去は追ってはならない、未来は待ってはならない。ただ現在の一瞬だけを、強く生きねばならない」、と教えられたわけです。

政治の世界も、常に変遷しています。

以前は資本主義勢力と社会主義勢力の戦いでした。金持ちで冷血な会社の経営陣と、貧しく哀れで虐げられた労働者が対立する、その延長に政治があった。

しかし、技術の発展に応じて、社会が豊かになった。労働者もクルマを持ち、マンションに住み、海外旅行も気楽にするようになった。余暇には王様のように娯楽を楽しめるようになった。労働者が消費の王様になった。日本、アメリカ、ヨーロッパでは資本主義勢力と社会主義勢力の戦いは終わった。共産主義ソ連は崩壊し、共産主義中国は資本主義的改革を始めた。

日本では社会党の崩壊が始まった。組合・連合も左翼イデオロギー(共産主義・社会主義)から脱皮した。労働者は低賃金でしいたげられた低学歴の暗い人々というイメージから、豊かな社会で生活の心配のない娯楽に恵まれた消費者に変わった。保革の対決の時代は終わった。そして、自民党と民主党の保守的二大政党の時代となった。日本もアメリカの共和党と民主党のような政治体制になった。

日本の政治の過去に栄光はありません。しかし、将来の予想も簡単ではない。待っていれば、素晴らしい政治がいつかは実現すると考えるべきでもない。

歴史的には、経済・技術の発展で資本家と労働者の対立という構図はなくなった。しかし、それでもアメリカですら、労働組合などは民主党支持であり、大企業の経営陣は共和党支持です。日本でも組合・連合は民主党系であり、経団連は自民党系です。貧富の格差は過去に政治的に解決されることはなかったし、将来的にもないと考えられます。ただ、経済の拡大で、社会環境が物質的に豊かになり、ハイテクが普及し、電子化が進み、さまざまな制度・システムが改善・調整され、問題が覆われるようになったというだけです。

政治的な解決は過去にもなかったし、将来もない。しかし、道徳的な解決は常に可能です。

単純に、誰かが金持ちになって、他の誰かがその犠牲になる、それは、許されないことだ、そう考えることで貧富の格差、社会の不公平、金持ちのもたらす害悪、そういう問題が解決される。政治の流れの中では解決できなくても、道徳的な立場からは解決の鍵が得られる。

今の政党も、それぞれ過去のいきさつがある。しかし、真の問題解決のためには、政党をこえて、道徳の追及に入らねばならない。

政界は、正しい道徳を求める政治家グループと、従来からの悪に頼る政治家グループに分けられべきかもしれない。道徳がなければ、どんな立派な政策を掲げても信用できない。最後には大きな災いが生じる。

ちなみに、1929年の大恐慌発生後、ヒットラーはドイツで素晴らしい政策的な成果をあげ、政治的・経済的にドイツ国民を大不況から救いました。失業率は大きく下がり、国民生活は大いに向上した。しかし、道徳のなかったナチ党によって、600万人のユダヤ教徒からの富の強奪と虐殺が行われることになった。

政党や政治家の過去の栄光、実績、いきさつ、将来への約束など信用できない。今、道徳的に活動している政党や政治家しか信用できない。

谷垣自民、野田民主、小沢新党、渡辺みんな、公明、共産の中で一番、道徳のあるのは誰か、どの政党か?

A Tokyo Street near Shinbashi