2012年7月6日金曜日

神の愚かさは、人間の賢さよりも賢い (東電は全面撤退とは言っていない)




聖書に曰く、「神の愚かさは、人間の賢さよりも賢い」。

一国の総理大臣が滅茶苦茶な言動で原発事故を拡大させた。

当然、その総理は自分の違法行為を隠ぺいしようとする。

もう一方の当事者である電力会社も権力をもつ総理大臣にはなるべく逆らわないようにする。調査をしてもあいまいにする。政権交代が生じなければ、本当の客観的・科学的な調査はできない。


しかし、国会調査委員会は、東電が全面撤退を計画したことはなかったこと、を認めました。ニューヨークタイムズも、「菅直人は”TEPCO全面撤退阻止のヒーロー”であると民間調査委員会で言われていたが、実際には、東電には全面撤退の計画はなかったと新たに報告がなされた」、と書いています。(http://www.nytimes.com/2012/07/06/world/asia/fukushima-nuclear-crisis-a-man-made-disaster-report-says.html?_r=1&ref=world

菅前首相は、「私は『撤退』という言葉を聞いたので、社長に『全面撤退はありませんよ』と言いました・・・」と証言しています。これは狡猾な表現です。誰から聞いたのかを語っていない。

政府/国会の調査によれば東電側は「全面」という言葉も「撤退」という言葉も使っていない。

菅首相の暴力的な言動に恐怖を抱いた清水社長が、とにかく、菅を刺激しないように、「(死の放射能を避けるために一部の職員の)一部退避」計画を苦労して通知しようとした。

それを、漫画的に「全面撤退」だと誤解した枝野・寺田・福山等が「東電は無責任にも福島第一から逃げ出そうと、全面撤退などと言っていますよ」と、面白おかしく菅に報告した。

”つまりは”、菅首相は側近から「全面撤退」という言葉を聞いたのであって、東電担当者や、清水社長から聞いたわけではない。それを、そのように思わせるために菅は主語を使わずに、「私は『撤退』という言葉を聞いた」、とごまかして証言している。菅は国民と調査委員会を意図的にだまそうとしている。

しかし、菅の言葉をよく聞けば、結局、この表現は、それを使ったのは自分の方だということを白状している。それでも、清水社長が全面撤退を言い出したとの印象を委員会や国民に与えようとしている。

「私は『撤退』という言葉を聞いたので、(深夜に官邸に呼びつけた)清水社長に『全面撤退はありませんよ』、と言いました・・・」。”つまりは”、菅は官邸にいる自分たちが誤解したことを知りながら、あたかも、清水社長が「全面撤退」を提案したかのように言いつくろっています。

これは、市民派・リベラル・左翼のメンタリティをあらわすものです。徹底して責任回避を行う。決して非を認めない。全ては野良犬の喧嘩だと考える。とにかく、言い負かすことだと考える。道徳や美徳は関係ない。体制側、大企業、官僚は悪だ。自分たちは正義だから、何をしても、どんな嘘をついても許されると考える。なぜなら自分は正義の側にいるからだと考える

左翼・市民派の典型的なロジックです。これでは、正しい調査はできない。


(菅は、「つまりは」という表現を多用する。しかし、そのとき論点を要約するのではなく、論理的に飛躍することを言って、自己正当化する際に、この表現を使用している。)

しかし、菅前首相等が一生懸命、悪知恵を絞って自己の保身をはかっていても、真実はやがて明らかにされます。

とにかく、一国の総理大臣が滅茶苦茶な言動で原発事故を拡大させた。とんでもないことです。原子力関係の法律の趣旨を誤解して、東電に対する指揮権を乱用した。「全面撤退」という言葉を誤解して行った東電本社への乗り込みは、本来、違法侵入です。


(調査報告書では、あいまいな言い方をして、官邸に全面撤退だと誤解された清水社長の方が悪いという表現もあるが、これは、立場上、責任上、権限上、官邸の方が明らかに悪い。あいまいな言い方でも、正しくその趣旨を理解する能力が首相周辺には必要。)

菅首相は原子力の専門家でも、福島第一発電所の専門家でもないのに、そのように振舞って、権力を乱用して滅茶苦茶な指示を福島第一の現場の専門家、技術者、職員、労働者に出し、彼らの生命だけでなく、東日本の住民全体を死の放射能被ばくの危険に曝した。

そして、そのような言動を反省することなく、ただ責めを逃れようと狡猾な発言に終始している。単なる政治ゲームだと考えて、勝ち負けの問題だと思っている。真実の究明の重要性を理解していない。

(もし、格納容器が爆発するなら、当然、原発敷地内の作業員は全員死の放射能を浴びる。死ぬことが分かっているのに作業を続けさせられない。あくまで、東電は企業です。軍隊ではない。社員の生命を守るのは企業・経営者の義務です。死の放射能を浴びるのを分かっていながら、原発敷地内で社員に作業をさせれば、東電幹部は殺人罪に問われます。

従って、格納容器が爆発すると想定されたら、東電は職員の全面撤退を行う必要がある。

こういう常識が菅直人にはない。まず、放射能レベルと格納炉爆発の可能性を東電に確認すべきでした。

格納容器が爆発すれば、東京も数ミリシーベルト/時になる。それでも、民間企業の東電の一般社員に死の作業を命じる権限は総理大臣にもない。その場合、東電職員は全面撤退させ、自衛隊とその最高司令官の菅首相が、死の放射能に包まれた福島第一で作業すべき、ということになる。)

この菅内閣で財務大臣という要職に在り、閣内で菅首相を支えたのが野田首相です。

つまりは、菅-野田という危険人物が総理になっている。早期の総選挙で政権交代すべきでしょう。

どんなに、おかしな政治家が悪知恵を狡猾に用いても、信仰心のある国民が愚直に正義を求めていけば、必ず日本国は改善されます。




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http://blogs.dion.ne.jp/tenbou_dai/archives/10043644.html



格納容器爆発で死の放射能に満ちた原発敷地内で作業すれば、必ず死亡する。
民間企業の東電社員に死の作業を命じる権限は総理大臣にもない。
この場合、民間人たる東電社員の「全面撤退」は当然です。もちろん、首都圏からも民間人の住民は「全面撤退」です。
ただし、自衛隊とその最高司令官の菅首相が、死の放射能に包まれた福島第一で作業すべき。
菅首相の怒鳴り込み先は東電本社ではなく、福島第一の敷地内であるべきだった。

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Tokyo Bay