2012年7月8日日曜日

居住者がしっかり守っている家には強盗は入らない (アメリカとの防衛、アメリカに対する防衛)


キリスト曰く、「居住者がしっかり守っている家には強盗は入らない」。

これが、国防の基本です。

そもそも、国家の3要素とは、国民、防衛力、及び、領土です。

憲法や法律のような (文書化された) 成文憲法/成文規定が必須要件だというわけではない。国民個人が高い道徳意識・国家意識を心の中に持っていれば、成文憲法・法律すら必要でない。しかし、防衛力がなければ、国家自体が崩壊する、破壊される、解体される。

国家が成立するには、防衛力で国民と領土を防衛しなければなりません。

キリストもユダヤ教徒、ユダヤ民族の一員として、古代イスラエルを、当時の超大国ローマ帝国から防衛するのに心を砕いていた。「私はイスラエルの失われた羊につかわされた」、とキリストは述べておられる。

しかし、防衛力とは単純にに軍事力だけを意味するものではありません。兵隊と武器だけで国家と国民を守ることができるわけではない。

そもそも、侵略国家もできるだけコストをかけずに、流血を少なくして、楽に他国を侵略・支配しようとする。単なる武力による威嚇・脅迫だけで屈服できれば、それにこしたことはない。次に他国の中にスパイ・工作員を増やして、その国を裏切るように働きかけ、それに成功すれば、それにこしたことはない。あるいは、文化的に他国の国民を洗脳し、従属させることができれば、それにこしたことはない。そして、最後に、卓越した武器・技術力・システム・科学力で圧倒して、ワンサイドの戦争を実施し、屈服させる。

実際、このようにして欧米諸国はアフリカ、中南米、アジアの多くの地域を植民地化しました。その結果、アフリカは今も貧困地域、アジアも後進地域、中南米にいたってはスペイン語を母国語とする始末。現在のヨーロッパ系人種の世界制覇は、そのようにして20世紀に完成されたわけです。

この近代世界史の中で、欧米諸国、ヨーロッパ系人種に脅威を与えた国家・民族が1つだけあった。日本です。

しかし、日本国と日本人が欧米にかわって世界に君臨できるわけではなかった。日本というのはあまりに世界の中心から遠く、文化的にもユニークであり、地政学的にも世界に理解されにくい位置にある。ユーラシア大陸の東端にあり、世界の中心イスラエル・エルサレムから最も遠く、インド・中国のような古代文明の発祥の地でもない。

他方、アメリカ合衆国も世界史の中で、あるいは、世界情勢の中でユニークな位置に在ります。そもそも、アメリカ民族/アメリカ人種などというものはない。ヨーロッパ中の民族・世界の人種が集まってつくったのが合衆国です。それで、世界最強の国家となった。このアメリカと近代全面戦争を行った国は、しかし、日本だけです。ここに、世界史を理解する大きなカギがある。(ナチズ・ドイツも米国と全面的に戦ったが・・・)

さて、日本国の防衛とは何か。

アメリカに行って豊かな生活をしたい。そして、アメリカで成功して日本に優越感を示す。いや、せめて老後はアメリカで暮らして、日本にいる連中にうらやましがれたい。こういう日本人もいる。
彼らの大部分は、現地アメリカでは指導的な市民として生きることもできないので、インターネットや衛星テレビで日本のことばかり気にしている。そして、えらそうに日本はこうしろ、ああしろと言う。

このように、アメリカに憧れて、アメリカに住んでいながら、アメリカでは三流市民であり、日本人にアメリカ暮らしを自慢するしか能のないふざけた日本人の心とは正反対のもの、それが日本の防衛なのです。

日本人の全員が、アメリカに行ってもっと豊かな暮らしをするんだ、と言ってアメリカに移住してしまえば、日本国は消滅する。皇族から学生まで皆、アメリカに憧れて、アメリカ市民権をとり、アメリカで広い家、大きなクルマ、豊富で雄大な自然・資源をエンジョイしたい、ということになれば、日本人はいなくなる。これが、究極的な日本の崩壊です。

”(インチキ市民派風に言うと)つまりは、” 日本の防衛で最も大きな問題は、ロシアや中国の軍事力、北朝鮮の工作活動ではなく、アメリカによる文化的・物質的な支配なのです。日本人の心の支配なのです。

古代イスラエルも、当時の超大国ローマ帝国の物質主義に支配されていました。エルサレムの神殿の指導者や、ユダヤ民族の王族・貴族もローマ軍に支配され、従属し、利益を共有する始末。その中で、ユダヤ民族の精神の防衛のために立ち上がられたのがイエス・キリストです。少なくとも、そういう見方もできる。

日本精神の防衛、アメリカ物質主義/娯楽主義/暴力主義からの防衛、これが日本の国民と国家の防衛のポイントです。

対ロ、対中、対北朝鮮のための日米安保は、また別物です。そういう国際政治レベルの問題はあまりむつかしくない。自由と民主主義を掲げる日米が、独裁的なロシアや中国と戦って、ロシア人や中国人を解放する。こういう正義の戦いは前世紀から続いている。
しかし、全歴史にかかわる日本の防衛は、アメリカに象徴される欧米物質主義からの日本精神の防衛なのです。

第二次大戦では、帝国陸海軍は自分たちの無線暗号はドイツ以上に高度だから、英米に解読されるはずはないと思っていました。しかし、実際はほとんど全て解読されており、山本五十六司令官の視察スケジュールも解読され、山本将軍機は撃墜され、戦死されました。ましてや、原爆を米軍が開発した情報を入手・活用することもできなかった。

(日本の暗号表はワシントンの大使館で米当局に盗まれていた。米国の原発開発成功の情報はスペイン人スパイから東京の当局に入っていたはず、という説もある。)
”(インチキ市民派風に言うと)つまりは、” 日本人が欧米文化の勉強不足だった。それが、第二次大戦の大日本帝国陸海軍の無条件降伏の原因です。

日本国家の防衛のために、ユダヤ教、キリスト教、イスラム教、仏教をしっかり勉強し、修行する必要があります。

(宗教の本なら、なんとか真理教に入らなくても、本屋や図書館にいくらでもある。宗教は個人の努力です。なんとか教団に入れば会得できるものではない。まあ、数百年の伝統ある大学や施設で宗教を学ぶのは許される。ぽっとでの怪しげな中年商売人が教祖/開祖などというのは、全く信用できない。)

そういうことで、国家防衛と対米警戒、世界宗教の研究は密接な関係がある。いや、それこそ日本防衛の核なのです。


A Tokyo Railway Line